日産社長が激白!「批判には結果で応える」 内田社長が語った過去の反省と再生シナリオ

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インタビューに応じた日産自動車の内田誠社長兼CEO。現在の危機的状況をどう乗り切るのか(写真:日産自動車)
日産自動車が瀬戸際に立たされている。5月28日に発表した2020年3月期決算では6712億円の最終赤字を計上した。同時に公表した事業構造改革計画「NISSAN NEXT」では、世界の生産能力を2割削減するリストラ策を打ち出し、フランスのルノー、三菱自動車との3社アライアンスで開発や販売面でのすみ分けを明確にする方針も示した。
カルロス・ゴーン元会長の拡大路線が生んだ余剰の生産設備や人員が大きな負担となっていることに加え、新車の投入も遅れて販売は低迷。そこに新型コロナウイルスの感染拡大による需要急減も加わり、経営不振の深刻度は増している。
日産の再生に向けてどのようなシナリオを描いているのか。そして、経営統合問題がくすぶるルノーとの関係はどうなるのか。内田誠・社長兼最高経営責任者(CEO)を直撃した。(編集部注:取材は6月10日にオンラインで実施)

当面の資金繰りは問題ない

――巨額の赤字を計上した日産の現状をどのように認識していますか。

非常に重く受け止めている。新型コロナウイルスの影響もあるが、その前から当社固有の問題があった。将来に向けて挑戦できる販売台数を考慮し、現在、保有している資産を評価すると減損せざるをえなかった。過去の失敗を踏まえ、これからいかに成長軌道に戻るかに注力していく。最も重要なのは、今回発表した事業構造改革計画を確実に実行すること。それによって社内はもとより、ステークホルダーからの信頼回復につなげることができる。覚悟を持って進める。

――赤字額は経営危機に陥った2000年3月期とほぼ同じ水準です。当時、内田社長は日産に入社する前ですが、現在と当時を比べて、危機のレベルをどう分析していますか。

数字的なインパクトでは、当時と同じような感じで伝わっているのかもしれない。日産がつぶれてしまうのではないかとも言われているが、資金の流動性で言えばコロナを踏まえても当面オペレーションを継続できる状況だ。

2000年当時の外的環境を見ると、とくに北米では市場が徐々に拡大していく状況だった。現在はコロナも含めて非常に不確実な状況にある。お客様の自動車に対する価値も変わってきている。当時は社内のコスト構造の面で贅肉があり、再建計画「日産リバイバルプラン(NRP)」では部品・資材の購買金額を20%削減することなどを掲げたが、今の状況とは違う。

一方で、日産の実力からすれば、現在の業績レベルが適正かというと、まったくこんなレベルではない。本来の実力を引き出すために、経営層がどこまで覚悟を持ってできるかにかかってくる。この点に関しては自信がある。

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