日産社長が激白!「批判には結果で応える」 内田社長が語った過去の反省と再生シナリオ
当面の資金繰りは問題ない
――巨額の赤字を計上した日産の現状をどのように認識していますか。
非常に重く受け止めている。新型コロナウイルスの影響もあるが、その前から当社固有の問題があった。将来に向けて挑戦できる販売台数を考慮し、現在、保有している資産を評価すると減損せざるをえなかった。過去の失敗を踏まえ、これからいかに成長軌道に戻るかに注力していく。最も重要なのは、今回発表した事業構造改革計画を確実に実行すること。それによって社内はもとより、ステークホルダーからの信頼回復につなげることができる。覚悟を持って進める。
――赤字額は経営危機に陥った2000年3月期とほぼ同じ水準です。当時、内田社長は日産に入社する前ですが、現在と当時を比べて、危機のレベルをどう分析していますか。
数字的なインパクトでは、当時と同じような感じで伝わっているのかもしれない。日産がつぶれてしまうのではないかとも言われているが、資金の流動性で言えばコロナを踏まえても当面オペレーションを継続できる状況だ。
2000年当時の外的環境を見ると、とくに北米では市場が徐々に拡大していく状況だった。現在はコロナも含めて非常に不確実な状況にある。お客様の自動車に対する価値も変わってきている。当時は社内のコスト構造の面で贅肉があり、再建計画「日産リバイバルプラン(NRP)」では部品・資材の購買金額を20%削減することなどを掲げたが、今の状況とは違う。
一方で、日産の実力からすれば、現在の業績レベルが適正かというと、まったくこんなレベルではない。本来の実力を引き出すために、経営層がどこまで覚悟を持ってできるかにかかってくる。この点に関しては自信がある。
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