日産社長が激白!「批判には結果で応える」

内田社長が語った過去の反省と再生シナリオ

――新型コロナによる影響で、2020年度の世界の自動車需要は15~20%減になり、2021年度以降も販売水準が元に戻るには相当の時間を要するのではと言われています。

コロナで世界の全体需要は大きく落ちるが、各地域での回復のスピードはそれぞれ違うと思っている。いろいろな機関の予測を踏まえ、新車がどういった形で投入できるかを鑑みて作ったのが今回の計画だ。

今回、事業構造改革計画を発表したが、そこはあくまでスタートであって、いかに実行できるかに尽きると思っている。2021年度に営業利益率2%という目標は、コロナの状況にもよるが、本来もっとできるのではないかという声ももらっている。

もう少し楽観的に見ると確かにそういった数字になる可能性はあるが、いまの状況を鑑みながら計画を確実に達成していくことで、社内はもとより、ステークホルダーやビジネスパートナーからの信頼を取り戻したいという気持ちを強く持っている。

人材が外部に出ていくのは残念でならない

――業績の悪化が進んだここ2~3年、役員クラスや中堅幹部、現場社員の離職が相次ぎ、日産に残る社員も会社の先行きに大きな不安を感じています。

就任時からやってきていることだが、従業員の意見を聞き、その意見が通るような社内のムードに変えていくことが必要だ。そこは仕組みも変えていっているし、最近もテレワークでグローバルの拠点とつないで計画の中身を説明した。

その中で従業員からの意見を吸い上げていきたい。われわれ経営層が真剣に向き合って、日産にとって欠けているものが何なのか、どこを強化しなければいけないのか随時論議をしていく。社内で信頼を得られないと、社外の方からも信頼を得られない。

人材が外部に出ていってしまうのは本当に残念でならない。何人もの辞めていった方と私も話をしたが、なぜそういった選択をせざるをえないのか、たくさんの意見をもらった。これまでの反省点を踏まえて直すべきところは直し、われわれの考え方を理解してもらうことに尽きる。

――内田社長は就任以来、「日産には失敗が許されない文化があった」と言ってきました。そういった文化が社内の閉塞感につながり、人材の流出を招いているのではないですか。

たしかにそういった文化は過去にはあったと思う。新しい体制になってからはそういう経営はしていない。すべての課題に対して、透明性を持って議論を深めていくような方向に現在は舵を切っている。「できないことをできると言わせる」文化にはなっていない。

ただ、私が就任した後も日産の業績はさらに悪化し、そこにコロナの状況が来ている。(人材流出についての)残念な報道も出ている。そういった状況で従業員が不安にならないかというと不安になるのが当然だ。

日産を本来の強い姿に戻していくには日々、経営層が従業員に対してメッセージを出して、対話していくしかない。そうは言っても、社内からは日産をよくするための意見を多くもらっており、それに経営層も励まされている。

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