日産社長が激白!「批判には結果で応える」

内田社長が語った過去の反省と再生シナリオ

――かつて稼ぎ頭だった北米の立て直しは経営再建のカギを握ります。ただ、市場の競争が激化する中で、車齢を若返らせれば自ずと販売は回復していくという考えはやや楽観的ではないですか。

決して楽観的に考えてはいない。V字回復するような状況ではないことはわかっている。計画では2021年度の目標を2%の営業利益率(中国合弁会社を比例連結)としており、すぐに戻る前提とはしていない。新車を投入することでブランド価値を高めながら徐々に回復していき、2023年度には5%に到達するようやっていく。

このコロナの状況で一番力を入れていかないといけないのは北米だ。北米でもメキシコでは非常に高いシェアを持って健全なオペレーションをやっており、そこからの輸出もしている。メキシコで日産が頑張っていると注目してもらえるとうれしい。

苦渋の決断だったバルセロナ工場の閉鎖

――今回の事業構造改革では生産能力を2割削減して、通常時で年間540万台(最大600万台)とする計画ですが、現時点で公表されている閉鎖拠点はバルセロナ工場(スペイン)とインドネシア工場のみ。いずれも生産規模はそれほど大きくなく、踏み込み不足ではないかという声もあります。さらなる合理化の必要性はありませんか。

コロナのインパクトがどこまで広がるのかに左右される部分もあるが、それに備えて準備なり検討をしていかないといけない。現在の前提として、2020年度の世界全体の自動車需要は前年度比15~20%減少する。回復のスピードが速い地域、少し緩やかな地域などをシミュレーションして、生産能力削減の数字を発表した。

5月28日、オンラインでの会見で事業構造改革の計画について発表する内田社長(写真:日産自動車)

日産が持つべき生産のキャパシティとして、先日の記者会見では言える範囲のところまで言った。とはいえ、そこにあぐらをかいているつもりはない。コロナは大変な脅威であって、ポストコロナでも今までと同じレベルを販売できるのかは疑問だと思っている。工場の閉鎖が最後の解になるかというと、そこは生産ラインの調整などいろいろな方法もある。

――欧州ではバルセロナ工場を閉鎖して、英国のサンダーランド工場に生産を集約します。

サンダーランド工場に集約ということではない。イギリスはブレグジットの問題もある。サンダーランド工場を維持しながら、バルセロナ工場の稼働率を考慮し、将来において維持できるかということを検討した結果、厳しい決断をせざるをえなかった。バルセロナ工場は歴史もあるので、ありとあらゆる論議を尽くしたうえでの苦渋の決断だった。

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