日産社長が激白!「批判には結果で応える」 内田社長が語った過去の反省と再生シナリオ

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――3社の協業では、特にルノーとの関係が注目されています。ゴーン氏逮捕の後は両社の関係が著しく悪化した時期もありました。三菱自を含め、各社が今回距離を縮めたのは、3社ともに業績が急激に悪化したことが背中を押した面があるのではないですか。

(ルノーとの関係について)いろいろな報道がされていたのを記憶はしている。社長に就任する直前の2019年11月末からAOB(アライアンス戦略の協議組織)には参加していたが、世間で言われていたような温度差はなく、アライアンスがさらに各社に貢献できるかという視点で議論していた。

今の各社の経営状況が3社の距離を縮めたのかというと、ないとは言えない。アライアンスは各社の競争力を強化するツールでありそれを使うことが大前提になっているので、この有事においては貪欲に使っていかないといけない。部品や資材の共同購買であったり、物流であったり、アライアンスは過去から大きな効果を出している。そのうえで、過去に採用した方法に一部で問題もあったので効率化という視点で見直したと理解してほしい。

ルノーとの経営統合、まったく考えていない

――アライアンスでは、例えば新車開発の現場で日産・ルノー間に主導権争いが起き、日産の開発陣に大きな不満が募ったというような事例もあると聞いています。

主導権争いがあったかどうか私は知らないが、両社間で主要機能の統合を急ぎすぎたところはあったと思う。仕事の重複がまったくなかったかというと、そうではなかった。アライアンスはどんどん進化していかなければいけないと思っているし、2~3年前に正しいだろうと思って踏み切ったことがうまくいかなければ、反省点を踏まえて変えていくという順応性が必要だ。

どの自動車メーカーを見ても、われわれのアライアンスは非常にうまくやってきたと思う。一方で、非効率な組織になっていたという部分もあった。その反省を踏まえて、各社が「選択と集中」をするのにアライアンスそのものもあわせていっているものだと理解してもらいたい。

――提携パートナーであるルノーは日産との経営統合を要求してきた経緯があります。ルノーのジャンドミニク・スナール会長は先日、「経営統合は考えていない。3社の協業で効率化を追求できる」と発言しました。現段階では「棚上げ」という状況なのでしょうか。

その「棚上げ」という日本語の解釈が非常に難しいが、私が社長に就任してからこの関連の質問は50回くらいもらっており、その都度、同じことを言っている。(経営統合の)議論はまったくしていない。(ルノーからの経営統合の要求について)社長就任前に報道などで見たが、そういった議論が過去にあったかについて私は承知していない。

現段階でもその議論が少しでもあるかというとまったくない。スナール会長とも三菱自の益子修会長とも一切話をしていない。どうしたらアライアンスが各社に貢献し、成長につなげられるのかという議論を続けてきている。いまは(資本関係の)見直しという話は一切していないし、そんなことを私は頭の中で考えてもいない。

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