新入社員「試用期間切り」横行が十分ありえる訳 追い込まれた会社がその手で来たら対抗可能?

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そしてアフターの対策、つまりブラック会社が牙をむいて、新入社員を追い出そうと姿を現した場合には、どんな対抗手段があるでしょうか。ビフォーの「猫を被る」というのは無駄に戦わないための技術ですが、それでもある日突然、人事から会議室に呼び出されて退職を強要された場合は、ある程度戦わなければ、未来を確保できないかもしれなくなるのです。

企業にもよりますが、たちの悪い企業のリストラの際には、人事部が平気で法律を破ってくることがあります。「自己都合か会社都合かを選べ」とか「今日サインをしなければここから出せない」とかの言い回しで、法律知識などまったくない新入社員に今その場で退社の書類にサインをさせようとするかもしれません。そして、1度サインをしてしまうと、もう戦うことはできません。

重大な話にその場の「イエス」「サイン」はNG

ですから、誰でもできるこのような場合の自衛策は、その日その場でそのような重大な話については、絶対にイエスと言わないし、サインもしないことです。もちろん、長時間軟禁されて、かなり頑張らないとそれができない会社もありますが……。

いちばんの問題は、新入社員と会社、上司、人事部との間に絶対的な情報の非対称性があることです。新入社員が法律的な権利など知らないうちに、相手が十分な作戦を組み立てていることが山ほどある。不意打ちにあった状態で、そのような情報の非対称性の下で戦うのは非常に不利な戦いになります。

その意味から、ある程度、情報の非対称性を埋めるために法律知識を学んでおくことは一定の自衛策になるかもしれません。ネット上には、企業側の不当な労働行為へのアドバイスがたくさんあります。何も知らないよりは、労働者として法律で認められた権利を知っておくことは意味があるでしょう。

ただ、大企業の人事部のベテラン社員の実力はあなどることができません。相手は専門家です。付け焼刃的な知識では勝てない可能性が高い。もしその場を切り抜けるために武器をちらつかせるのであれば、労働法規を振りかざして相手の不当性を訴えるよりも、1度だけ弱者としてのブラフを使うぐらいにしておいたほうがいいでしょう。

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