「母のいとこが比較的有名な労働法の弁護士なのですが、先々週にその人から教えていただいた話と人事のあなたが今目の前でおっしゃっている話が違っているように思います」ぐらいの抵抗がいい線ではないでしょうか。詳しく知識がなくても、そのおじさんがひょっとするとこの後出てくるかもしれないぐらいに人事部を軽くびびらせておく感覚です。
自分の人生のキャリアプラン戦略という観点では、入社1年目の9月で職を失って新しい職場を探さなければいけないというのは明らかなマイナスです。転職活動の際にも、履歴書に試用期間で辞めたことを書いてしまえば、その理由を必ず聞かれます。将来のキャリアを考えたら、最低でも2年はその企業で働いたという実績が欲しいところです。
とはいえ、「正社員ではなく非正規労働者としてサインしてくれるのであれば、10月以降もわが社で働けるよ」というような人事部の懐柔策には乗らないほうがいいです。絶対に。
リストラは無抵抗な人から順番に未来を失う
可能性としてありうるのは、新入社員が必死に抵抗しているうちに別の誰かが辞めさせられることになって、それで会社もリストラ計画が一応達成できるといったラッキーが起きることでしょう。実際に私の知っているリストラのエピソードでも、「結局粘り勝ちで残ることができた」という体験者は結構多いものです。この世界、無抵抗な人から順番に未来を失っていくものなのです。
ただ、入社1年目の9月時点で退社を促してくるようなブラックな会社だとしたら、粘っても得られるはずだった未来をそのまま確保するのは難しいかもしれません。ここで見極めるべきは、何が勝ち取れるかです。
会社のやり方が無茶苦茶で、法律に違反しようが何だろうが、とにかく業績が厳しいので辞めさせたいという場合に、その会社と徹底的に戦うことになれば、勝ち取れるのは「干されいじめられる前提での雇用継続」なのかもしれません。
一度敵対した会社が、手のひらを返したように笑顔になって、その後普通に働くことができるようになるなどということは考えにくい。一度裏切ってきた相手は、その後も裏切る相手だと考えたほうがいいでしょう。
ですから、徹底的に戦うことになった場合は「少なくとも1年半は頑張って居残って、履歴書に職歴が書けるようになって、次の転職先が見つかるまでの期間限定で戦おう」ぐらいに、勝ち取れるゴールを覚悟したうえで戦ったほうがいいのです。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら