フェイスブックへの期待と不安 モバイルアプリ戦略、昨今の動きと今後
コンテンツと広告の間で
フェイスブックはユーザー課金ではなく、広告モデルにより収益を上げている。ご存じのとおり、フェイスブック内に投稿される各記事には「いいね(Like)」「コメント」「シェア」という3つのアクションが用意されており、これらの数が増えることは、その記事がより多くの人の目に触れ、リアクションを採ってもらえたことを意味する。
これらの数に神経質になっているのが、フェイスブックでユーザーとコミュニケーションを取っている企業だ。これらの企業は、自社が運営するページへの誘導をしたり、記事そのものを拡散させようというインセンティブが働いており、フェイスブックが広告を販売する相手でもある。今回のデザイン変更は、広告のリーチをより自然にすることも、意識されていたとみられる。
フェイスブックのユーザーは複雑だ。第一義には友人とつながることを目的としており、彼らと日常的にコミュニケーションを取りながら、そのつながりを楽しめる場がフェイスブックだ。こうした非常に個人的なストーリーの中に、企業が広告としての記事を投下していくことになる。
フェイスブックでのコミュニケーションには、個人的な投稿に加えて、ニュースのシェアが不可欠だ。友人の間で話題になっていることが共有され、議論が起きる。これもフェイスブックのコミュニケーションとして定着している。そのニュースのソースはメディアだけでなく企業、ということもありえる。
本来、友人の投稿と企業の広告は同じ場所にあってほしくないはずだが、企業側がよりフレンドリーに振る舞うことと、フェイスブックのニュースフィードの仕組みによって、「コミュニケーションによる解決」という絶妙なバランスを作り出そうとしている。
メッセンジャー機能をアプリに特化
フェイスブックは、モバイル分野では、少し違う振る舞いを始めている。昨年、Androidスマートフォンとともに、ホーム画面をフェイスブックのニュースフィードの写真でジャックする「Facebook Home」というAndroidアプリをリリースしている。
また、今年になって「Paper」と呼ばれるアプリをリリースした。このアプリは、ニュースフィードを流れるニュースやブログ記事を、雑誌風(あえて、Flipboard風というべき)のレイアウトと分類で閲覧することができる。いずれのアプリも、通常のフェイスブックアプリと比較して、必ずしも使いやすかったり、進んで使おうと思うものではなかった。
そんな中で、モバイルアプリの再編成も進めている。
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