チャットアプリ普及で、電話はいらなくなる?

ワッツアップ買収とメッセージングの未来

 本連載は、グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンに関するトピックをひとつないし複数採り上げながら、米国・シリコンバレーを中心とするIT事情を定点観測的にお伝えしていく。およそ1.9兆円という巨額の買収を行ったフェイスブック。その対象は、世界で最もアクティブにメッセージのやり取りが行われているアプリのワッツアップ(whatsApp)だった。今回はこのニュースを振り返っていく。
フェイスブックが1.9兆円で買収したワッツアップ。これらのチャットアプリが電話を代替するのか(写真:ロイター/アフロ)

若き世界のトップ、マーク・ザッカーバーグ氏は、毎年2月に開催されている世界最大のモバイルイベント、Mobile World Congress 2014で講演に立った。フェイスブックは、ちょうど1週間ほど前に、欧米で非常に人気の高いモバイルメッセージングのアプリ、ワッツアップを買収したばかり。同社は月間4億6500万人、1日に3億3000万人のアクティブユーザーを擁しており、有料でサービスを利用している。

この買収は2つの意味で「割に合う」という見方をすることはできるはずだ。ひとつは、広告主体のフェイスブックが、年間1人1ドルから2ドルでも、機能を使うためにおカネを払ってくれるユーザーを抱えたいという意味合いで。もうひとつは、最も活発な人と人のコミュニケーションのプラットホームをフェイスブック以外に許さないという姿勢においてだ。

ワッツアップの存在価値

買収されたワッツアップのCEO、ヤン・クーム氏は、10億人というユーザー数の目標を立て、ユーザーに対してビデオ通話機能を追加していきたいと話している。こうした目標は、これまで、通話やSMSといった通信会社が担ってきたインフラを完全にリプレイスすると同時に、買収したフェイスブックが、アジア圏と若年層という2つのターゲットのことも見据えることができる。

ワッツアップの欧米での存在価値は、通信会社の通話とともに収益源だったSMSの料金の節約という、金銭面でのインセンティブが強く働いていた。スマートフォン以前から使われてきたSMSは、米国のこれまでのファミリープランなどで割引プランに入らない場合、1通20セントの料金がかかる。10通1ドル、100通10ドルだ。10ドルの月額料金を払うと1000通まで送れるようになり、20ドル払えば無制限になる。

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