チャットアプリ普及で、電話はいらなくなる? ワッツアップ買収とメッセージングの未来

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複数の端末やプラットホームから安定的に利用することができ、限りなく料金がかからない手段が受け入れられる一方で、異色のメッセージングサービスを提供し続けているのがLinkedInだ。プロフェッショナルネットワークとしてキャリア形成にも利用されているSNS、LinkedInには、有料で確実に返事をもらえることを保証するメールサービスを用意している。ある種、メッセージのプレミアムサービスと言えるだろう。

また、フェイスブックがワッツアップを買収したというニュースを聞いて、ThreemaやTelegramというメッセージを暗号化したり期限を設定できるセキュリティを誇るメッセージングアプリへの人気が集中した。メッセージアプリそのものに世界中から注目が集まったこともある。

しかしTech Crunchによると、これらのユーザーの動きはフェイスブックに買収されることによるセキュリティやプライバシーへの懸念から、ほかのプラットホームを探してユーザーが動いているという見立てだ。(関連記事〈1〉〈2〉)

普段使いと確実性をセットで利用する

メッセージングや音声・ビデオ通話のアプリが普及する中で、通信会社が提供する回線を利用する通話サービスやSMSは、今後、なくなっていくのか。筆者は「プレミアムサービス」として残り続けると考えている。

米国では、地下を走る高速鉄道内だけでなく、場所によってはLTEはおろか、3Gもつながらないエリアがまだまだある。その際、データ通信は利用できないか非常に低速になるため、テキストのコミュニケーションであってもうまく送受信ができない場所がある。

iPhoneを利用していると、普段iMessageで送信している相手であっても、データ通信ができない場所では料金はかかるがSMSで送信し、相手に着実にメッセージを届けることができる。自動切り替えであるため、料金がかかるかどうかがわかりにくく、一見使いにくそうに見えるが、とにかく相手にメッセージを届けるという本来の目的は果たしてくれている。

通話もVoIPやVoLTEといったサービスが世界的に導入され、今でもSkypeやHangout、LINE、FaceTime Audioといったデータを利用する通話サービスが便利だ。しかしSMSと同様、データ通信がないところでは、通常の電話回線を使った通話が最も確実な手段となる。

普段、利用する無料通話と、有料でもちゃんと電話がかかるというオプションとを対にして活用することが重要ではないか、と考える。こうした信頼性・確実性について意識させられたのが、3年前の東日本大震災の体験だった。

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