チャットアプリ普及で、電話はいらなくなる? ワッツアップ買収とメッセージングの未来

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月間1000通というと途方もない数字に見えるが、英文で160文字という制限がついているSMSは、日本のケータイメールよりもよりチャットのような感覚で送り合う。2012年度は月間の平均で600通を超えているが、10代のユーザーの3分の1は、1日100通、月間3000通もやり取りをしているとのデータがある。たとえばこれを、年間で無料あるいは2ドルに節約できるとしたらどうだろう。

ワッツアップはこうした都度課金のSMSを代替することによって、その存在価値を高めてきた。

米国の通信会社は、端末の主流がスマートフォン化に移行する中で、データ料金主体プランへと移行し、これまでの収益源だった通話やSMSを無制限のプランへと変えている。そうした変化の中で、ワッツアップの初期の役割は薄れてきている。

しかしそれでも、コミュニケーションを取るためにユーザーがしっかりと定着しており、そうした既存ユーザーとメッセージをやり取りするために、ユーザーが流れ込んできている。

メッセージングサービスのユーザーはどこへ向かうか?

ワッツアップが属するメッセージングサービスの競合は多い。皆さんのスマートフォンの中にも、フェイスブックメッセンジャー、LINE、Google Hangout、マイクロソフトが買収したSkype、BlackBerry Messenger、アップルのiOS・Macで利用できるiMessage、日本ではLINE、カカオトークがある。

また画像のメッセージングツールとしてを中心に米国で人気のスナップチャットがあり、インスタグラムもInstagram Directという個人・グループで写真を共有する機能が追加されている。はっきり言って、百花繚乱の状態だ。

この中で少し毛色が違うツールを挙げるとすれば、スマートフォンのOSと統合しているGoogle Hangout、BlackBerry Messenger(BBM)、Apple iMessageの3つだろう。HangoutとBBMはAndroid・BlackBerry以外のOSにもアプリが提供されているが、iMessageはアップル製品のみでしかやり取りできない。しかし吹き出しのインターフェイスや、SMSと同じアプリ内でシームレスに利用できる簡単さが特徴的だ。

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