フェイスブックへの期待と不安

モバイルアプリ戦略、昨今の動きと今後

フェイスブックは、これまでモバイルアプリに内包していたメッセージ機能を廃止し、専用のメッセンジャーアプリへと強制的にリンクする施策を採ることにした。タブレットや廉価版のAndroidデバイスを除いて、フェイスブックアプリの中からメッセージのやり取りを行うことはできなくなる。そのメッセンジャーアプリには、先頃、音声通話機能が搭載され、メッセージの画面から直接通話ができるようになった。

一連の動きは、LINEやワッツアップ(WhatsApp)などがすでに実現したり、アナウンスしている内容を追随するものであり、SNSとメッセージングを区別して、メッセージングだけ使いたい人にもフェイスブックのアカウントを利用してもらえるようにする施策になってきた。ご存じのとおり、フェイスブックはワッツアップをすでに買収しており、ワッツアップとフェイスブックメッセンジャーは機能面で完全に競合する存在となっている。

傘下の企業と同じ機能であっても、フェイスブックそのものがSNSからインスタントなコミュニケーションをカバーしなければならない理由がある。

優秀なインスタグラムのフェイスブック化を防げるか

フェイスブックが買収したモバイルアプリとして知られているのが、写真加工・共有サービスのインスタグラム。2014年3月25日の発表によると、半年前は1億5000万人だったユーザー数が2億人を突破し、200億枚を超える写真が共有されたという。米国では最も活発に若者に利用されているアプリのひとつとなっている。フェイスブックが買収を検討していたというスナップチャット(Snapchat)やタンブラー(Tumblr)も、そのリストに入っている。

フェイスブックの若者離れという話題は昨年より聞かれている。フェイスブック自身も決算発表の場で、インスタグラムに旺盛な若者利用があると指摘するほどだ。フェイスブックのユーザーは10億人を超え、バーチャルなものというよりはリアルな世間になってきたが、そこに居場所はないととらえる若者が、インスタグラムやSnapchatで写真を使ってつながり、語らい、LINEやワッツアップで交信を取り続ける。

インスタグラムがフェイスブックとの結び付きを強めたら、おそらくインスタグラムもリアルな場所になってしまい、若者はほかのアプリに居場所を求めるかもしれない。これはワッツアップにも言えることで、買収したアプリは本体とは独立性を保ちながら、収益化を模索するという難しい舵取りをしなければならなくなっている。

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