アベマTV、巣ごもりで視聴者1400万人突破の訳 急成長の立役者は「ニュースチャンネル」

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インターネットテレビ局「ABEMA」は、ニュースを配信するチャンネルがユーザー数の成長を牽引してきた。写真左は報道現場を統括するテレビ朝日報道局クロスメディアセンターの水野篤・ABEMA NEWS担当部長、右はABEMAの運営会社AbemaTVの山本剛史・ABEMA NEWSチャンネルプロデューサー(写真:AbemaTV, Inc.)

新型コロナウイルスの感染拡大を受けた外出自粛により、「巣ごもり需要」に注目が集まっている。特に多くの動画配信サービスがめざましい成長を遂げている。

アプリ分析ツール「App Ape」によれば、トップを独走するのが「Amazonプライム・ビデオ」。そしてその後を追うのが、サイバーエージェントとテレビ朝日が合弁で展開するインターネットテレビ局の「ABEMA(アベマ)」(4月にAbemaTVから改称)だ。

ニュースやドラマ、格闘技、将棋、麻雀など、約20のチャンネルを抱え、テレビのようにつねに番組を流し続けている点で、他の動画配信サービスとは異なる。サイバーエージェントの藤田晋社長は2016年4月の開局当初、広告で収益化できる週間アクティブユーザー数の目標として1000万人を掲げ、2019年に初めてその大台を突破した。2020年3月以降も外出自粛が追い風となり、4月初めには過去最高の1490万人を超え、その後も伸び続けている(最新の最高値は未公表)。

ニュースチャンネルが成長を牽引

その中でもユーザーの伸びを牽引するのが、ニュースチャンネル「ABEMA NEWS(アベマニュース)」だ。平日夜9時からの看板情報番組「ABEMA Prime(アベマプライム)」のほか、緊急の記者会見はノーカットで放送。「何かあったらアベマを見るという視聴習慣を作り出すことができた」(藤田社長)。

「アベマという新しいメディアを立ち上げるにあたって、ニュースをきちんと届けることが必要だと考えていた。ニュースチャンネルを作るには、やはり既存の映像メディアのノウハウが必要。テレビ朝日と組んだ理由はそこにある」と、ABEMA NEWSの山本剛史・チャンネルプロデューサーは振り返る。番組制作はテレビ朝日が担い、サービスの開発やユーザーの拡大施策、宣伝やマーケティングはサイバーエージェントが担当してきた。

ノーカットの会見中継は当初から想定したものではなかった。アベマニュースの報道を統括するテレビ朝日報道局クロスメディアセンターの水野篤・ABEMA NEWS担当部長は、「初めに考えていたのは、アメリカのCNNや日本テレビのニュース専門チャンネル『NNN24』のように、正時(12時ちょうどなどの時間)に短いニュースを流すといったこと。ただ開局当初に熊本地震が発生し、中継を延々と流し続けると、視聴者がついてくることがわかった」と話す。

アベマでの会見中継が本格的に知られるようになったのが、2019年6月のお笑いコンビ「南海キャンディーズ」の山里亮太さんと女優の蒼井優さんの結婚発表会見だ。アベマでの会見の総視聴数は732万に達し、その週のアクティブユーザー数も初めて1000万人を突破。2019年7月に明らかになった吉本興業の「闇営業」問題に関する岡本昭彦社長らの会見時には、1300万人の水準まで急上昇した。

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