リアル脱出ゲーム、コロナ禍でも大人気のワケ 在宅時間増加で「リモート版ゲーム」に追い風

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ビデオ会議サービス「Zoom」を用いたリアル脱出ゲームの画面。参加者たちは会場のスタッフに指示をして、脱出の糸口を探す(写真:SCRAP)

「閉ざされた雪山」「止まらない豪華列車」から、「夜のゾンビ遊園地」まで。ユニークな閉じ込められた状況を設定し、与えられた謎を解くことでそこからの脱出を目指すイベント型アトラクション「リアル脱出ゲーム」。

新型コロナウイルスの感染拡大により、これをビデオ通話サービス「Zoom」を使って遊ぶ、リモート型のアトラクションが人気を博している。

1万3500円のチケットが相次ぎ完売

同アトラクションを企画・運営するのは、都市部に設けた店舗でリアル脱出ゲームを提供している「SCRAP」(スクラップ)だ。今年のゴールデンウィークに開催した人気シリーズ「人狼村からの脱出」のリモート版は、1枚あたり1万3500円(6人まで参加可能)のチケットが相次ぎ完売となった。

アトラクションの仕組みはこうだ。利用客は自宅からZoomに接続し、「閉じ込め」の演出が施された店舗にいるスタッフと合流する。スタッフがリアルタイムで伝える映像を頼りに、利用客同士がZoomのビデオ通話で議論し、与えられた謎を解くことで脱出を目指す。

SCRAPはもともと、実際の店舗で脱出ゲームを提供していたが、新型コロナウイルスの感染拡大により、4月には国内17店舗のうち、岡山を除く16店舗が臨時休業に追い込まれた。なお、休業していた16店舗のうち6店舗は5月23日までに時間短縮などの形で部分的に営業を再開している。

SCRAPが運営するコンテンツの多くは「3密」を前提にしているため、緊急事態宣言が解除されても、すぐに客足が戻るとは限らない。そこで編み出したのが、Zoomを使ったリモート版の脱出ゲームだ。

Zoomを用いて試験を重ねた結果、追加投資なしに既存の店舗で行うゲームと遜色のない体験ができることがわかった。むしろ、「他人に的確な指示を出してもの動かすという要素が加わり、(店舗で遊ぶよりも)コンテンツに戦略性が増した」(同社広報)という。

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