リモート版に参加した20代女性は「現地のスタッフに行動を指示する必要があるなど、自分自身の身体で脱出を図る普段のリアル脱出ゲームとはまた違う難しさがあって、すごく面白かった」と語る。
SCRAPは17店舗のうち9店舗を東京・神奈川で展開しているが、Zoomを使って体験ができるようになり、地方在住者の需要も取り込みやすくなった。「(地方にいる)実家の家族と遊ぶなど、今までになかった利用法が拡大しうる」(同社広報)と期待を寄せる。
Zoomを使ったリモート公演の売れ行きは、5月中旬までに利用客ベースで1万人を突破。ほぼ完売の状況が続いている。新型コロナウイルスが収束し、リアル店舗でのサービス提供が再開された後も、リモート版の新作コンテンツの開発を検討しているという。
巣ごもり消費で需要が増加
コロナを機に、「オンラインクレーンゲーム」も人気を博している。ゲームセンターを運営する「イオンファンタジー」のオンラインクレーンゲーム「モーリーオンライン」は、巣ごもり消費が追い風となり、「平時より2~3割、需要が強まっている」(同社IR)という。
モーリーオンラインは、パソコンやスマホを使って実物のクレーンゲーム機を遠隔操作し、景品を獲得する。獲得した景品は後日、利用者が指定する住所に届けられる。
オンラインクレーンゲーム自体は2010年代に存在していたが、イオンファンタジーは当初、その事業化には消極的だった。しかし、オンラインクレーンゲーム市場が2016年ごろから拡大。同社もクレーンゲーム機内の映像を高画質かつ低遅延で中継する仕組みを研究し、2018年3月に市場投入すると、予想を超えるヒットとなった。
ゲームセンターのように立地や営業時間は関係ないため、月当たりの売上高は売り上げトップの実店舗の倍以上だという。現在は国内に限った展開だが、景品にもなっている日本のアニメ人気が高い中国など、海外への本格展開も目指している。
自宅にいながら、遠方にあるレジャー施設を見学できるサービスも登場している。航空大手・ANAホールディングス傘下のベンチャー企業「アバターイン」は5月、同社開発のロボット型端末「newme(ニューミー)」を活用し、臨時休館中の新屋島水族館(香川県高松市)を鑑賞できる企画を実施した。
ニューミーに接続すると音声と映像の出入力はもちろん、パソコン上のカーソル操作で指示を出せば、見たいものや会話したい人がいる場所へ移動できる。新屋島水族館では解説員と会話しつつ、自分のペースで館内を移動し、思い通りのタイミングで興味のある水槽に視線を移すことも可能だ。
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