サイバー藤田社長「あわや解任」の想定外事態

株主総会での賛成率が異例の低さに

1998年の創業以来舵取りを担ってきたサイバーエージェントの藤田晋社長。昨年12月の株主総会での賛成率は約57%と異例の低水準となった(撮影:今 祥雄)

あやうく社長を「クビ」になるところだった――。

サイバーエージェントが昨年12月13日に開催した株主総会で付議された取締役選任の議案で、藤田晋社長の賛成率は57.56%だった。あと少しで選任の条件である過半数を下回るという水準である。

同社のIR担当者によれば、発行済み株式の20.56%を保有する藤田社長は、すべての議案で議決権を行使した。藤田社長が自身の再任に賛成票を投じたと考えれば、同氏の議決権行使分を除くと賛成率は約46%で過半数を割っていた。この結果に驚いたのは、ほかならぬ創業者の藤田社長自身だろう。

2017年は96.76%、2018年は88.45%だった。なぜ今回、ここまで賛成率が低下したのか。IR担当者が機関投資家に聞き取りをしたうえで、会社側は要因が取締役会における社外取締役の比率にあったとしている。背後では、議決権行使助言大手が2019年に入って基準変更に動いていた。

社外取締役「3分の1以上」が基準に

アメリカの議決権行使助言大手、インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)は2019年2月に基準を改定し、サイバーエージェントのような監査等委員会設置会社に対して求めていた取締役会に占める社外取締役の割合を、それまでの「2名以上」から「3分の1以上」に変更。これを満たさなければ、経営トップである取締役に反対を推奨するとしている。もう1つの大手、アメリカのグラスルイスも同様の基準だ。

サイバーエージェントの場合、今回の株主総会後の取締役15人のうち社外取締役(監査等委員含む)が3人で、3分の1に満たない。株主構成を見ると、2019年9月末時点で外国人機関投資家の割合が45.3%。多くの議決権を持つ機関投資家が、ISSやグラスルイスの反対推奨に従ったゆえの賛成率だったといえる。

東証1部上場企業の取締役会平均人数は9.1人である一方、サイバーエージェントの社内取締役は12人、監査等委員を除くと11人と多い。

そもそも事業領域の拡大を受け、2018年末の株主総会で社内取締役を8人から11人へと3人増やしたばかりだった。背景にあったのが、取締役に関する制度「CA8」の廃止だった。2008年に導入され、取締役会の人数を8人にし、2年に1度、2人を交代するというものだ。

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