アベマTVを支える「ゲーム」と「広告」の異変

サイバー藤田社長が語った17年ぶり下方修正

業績予想の下方修正は実に17年ぶり。サイバーエージェントの藤田晋社長は、難しい舵取りを迫られている(撮影:ヒダキトモコ)

実に17年ぶりとなる下方修正だった――。

サイバーエージェントは1月30日、2019年9月期の売上高が4400億円(前期比4.8%増)、営業利益が200億円(同33.6%減)になる見込みだと発表した。それぞれ期初計画から300億円、100億円引き下げ、通期で増収横ばいだった当初予想から一転して増収減益の計画となった。売り上げは増収となるものの、前2018年9月期の13%増に比べ伸び率は鈍化する。

一夜明けた1月31日、株式市場は下方修正を嫌気し、株価は終値ベースで前日比15.7%安の3500円となった。

下方修正の要因は、主力のインターネット広告事業とゲーム事業が想定したほど伸びなかったことだ。同社は2016年以降、多額の番組制作費を投じ毎年200億円の赤字を出しながら、テレビ朝日と合弁でインターネットテレビ局「アベマTV」を中核事業にすべく育成している。ネット広告とゲームは、この藤田晋社長肝いりのプロジェクトを支える収益基盤となっていたが、その構図に異変が生じている格好だ。

藤田社長が感じた“異変”

広告とゲームが会社の2本柱として定着した2014年頃からは、人件費や広告宣伝費などの費用がかさんでも、それを十分カバーできるペースで売り上げが伸びていた。だが前年度の第3四半期(4~6月期)から、異変の兆しがあった。1月30日の決算説明会に登壇した藤田晋社長は「そのときは季節要因かと思っていた」としたうえで、実際はコストが過剰に膨らんでいたことを認めた。

上昇したコストの中身は、アベマTVだけではない。直近では、広告事業における大手広告主の開拓のため、クリエイティブ(動画などの広告制作)に長けた人材や広告の技術開発にかかわるエンジニアなどの採用を積極的に進めてきた。ゲームでは広告宣伝を積極的に打っており、会社全体の販管費は、この第1四半期(10~12月期)で289億円と前年同期比25%増となっている。

それでも昨年10月に今期の業績予想を発表する際、新年度の営業利益目標を「300億円」にしたのは、9月末に配信を始めた新作スマートフォンゲーム「ドラガリアロスト」に期待していたからだ。同ゲームの課金収入は、当時、好調なスタートを切っていた。ドラガリアロストは任天堂と共同で展開するアクションRPGで、日本のほか、北米やアジアでも配信されている。

しかし、この初速の動きに期待を込めて設定した営業利益計画は、結果として過大となった。11月以降はユーザー数が増えても、課金が伸び悩んだ。一方で10~12月には広告を多数打ったため、費用ばかりが膨らむことになった。

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