アベマTV、巣ごもりで視聴者1400万人突破の訳 急成長の立役者は「ニュースチャンネル」

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アベマでは単に会見の映像を流しているだけではない。「会見の中継はNHKの生活・防災アプリなどでも配信されているが、説明のテロップがない。われわれの配信では、途中から見た人でも内容がわかるように、それまでのダイジェスト的な内容を画面上にテロップで表示している」(水野氏)。

また、テレビのようにチャンネル数に縛られることもない。記者会見の中継中に別の会見が入ってきた場合には、即座にチャンネル数を増やせる。「編成の尺(時間の制限)や、チャンネル数に縛られないのはアベマの強み」(前出の山本氏)。現状のコロナ禍においても、政府と地方自治体の会見を複数チャンネルを使って同時に流しているという。

ユーザーの呼び込みを意識する戦略

話題になりそうな会見の日時がわかっている場合、ツイッターやユーチューブのほか、アベマ自身が展開するネットメディア「ABEMA TIMES(アベマタイムズ)」などで関連情報を発信する。「事前に情報を拡散し、会見から逆算して視聴者を呼び込める」(山本氏)。

その逆に放送後のコンテンツをソーシャルメディアに流すことも少なくない。「アベマのアプリ上で見てもらいたいのでバランスは難しいが、まずいろいろなところで番組を体験してもらいたい」(同)。

新型コロナの影響でアベマのニュース番組では出演者のリモート出演が増えている。「Zoom」などのビデオ会議ツールだけでなく、自宅などに緑の布を用意して“合成出演”するなど、テクノロジー面での取り組みも活発だ(写真:AbemaTV, Inc.)

また情報番組のアベマプライムでも、テレビとの違いは鮮明だ。「いちばん大きいのは尺の違い。使える時間の量が圧倒的に違う」(水野氏)。例えば、テレビの情報番組では、コメンテーターが一度に話す時間は30~45秒に制限され、限られた時間内に情報をまんべんなく盛り込まなければならない。

ただアベマプライムの場合は、「テーマを絞り、長い時間をかけて掘り下げるというコンセプトで番組を作っている」(水野氏)。コメンテーター同士の討論も含めて、1つのテーマで20~30分を割くこともある。「自由度という意味ではラジオ番組に近いかもしれない」(同)。

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