コロナ禍で加速「プロしか食えない」時代の衝撃 「いらない人」が整理される弱肉強食の社会に
固定費圧縮の1つの手段が、コストの「変動費化」である。例えば、人件費についても、「正社員主体」から「契約社員などの期間限定的な雇用形態」が増えていくだろう。
日々の事業運営を担う「コア人材」は正社員として処遇するが、高度専門性を持つ「プロフェッショナル人材」は必要に応じて契約社員的に活用するのが、これからの人材戦略の1つの柱となる。
「高度専門性のある人材は高い報酬水準で遇するが、長期的な雇用の保証はしない」という考え方が日本でも当たり前になっていく。
この流れは、プロフェッショナルを目指す人材にとっても悪いことではない。プロ人材にとっては、1つの会社で長年勤めるよりも、複数の会社で「他流試合」の経験を積むほうが、「引き出し」が増え、市場価値の増大につながるからだ。
つまり、「人件費の変動費化」を進めたい企業にとって、「プロ化」の流れは「必要な時に必要な人材を必要な期間だけ活用できる」という望ましい形態とも言えるのだ。
それでは、個々のビジネスパーソンにとって「プロ化」が示唆するものとはいったい何なのか。
「職種」より「個別差」がさらに大きくなる
ひとつ目の示唆は、「アマチュアは間違いなく淘汰される」ということである。
AIやロボットなど先端テクノロジーの進展により、多くの職業が消えてなくなると予測されている。
オックスフォード大学のオズボーン准教授らは702の職種を対象にコンピューターへの「代替性」を検証し、「その47%がコンピューターに置き換わる可能性が高い」と発表した。
例えば、公認会計士という職業がAIによって大きな影響を受けるのは必至である。公認会計士が行う仕事の多くは、AIによって代替されるだろう。
しかし、だからといってすべての公認会計士が不要になるかといえば、そんなことはありえない。「AIでは代替できない高度な付加価値を提供する」ことができる公認会計士は、逆にその存在感を高めるだろう。
つまり、「アマチュアレベルの公認会計士」はお払い箱になるが、「プロの公認会計士」は引く手あまたの存在になる。
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