新型コロナでも「普通の葬儀ができるはずだ」 ウイルス専門家の西村医師が現状を問題視

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「新型コロナウイルス感染症に関するQ&A」の説明。黄色のラインは編集部の入れたもの(出所:厚生労働省ホームページ)

厚労省のQ&Aは納得できないことだらけ

――自治体から病院や葬祭業者への通知、厚労省から自治体への事務連絡を見ても、厚労省のホームページにある「新型コロナウイルス感染症に関するQ&A」の「関連業種の方向け」「遺体等を取り扱う方へ」の内容が基本になっているようです。その基になっているのは「新型インフルエンザ等対策ガイドライン」(2013年6月26日、2018年6月21日一部改定)ですね。

この中の記述にはいろいろと疑問がある。「遺体からの感染を防ぐため、遺体について全体を覆う非透過性納体袋に収容・密封することが望ましいです」「遺族等の意向にも配意しつつ、極力そのままの状態で火葬するよう努めてください」という文言があるが、それらについては先ほども言ったように、遺体から感染なんてしない。こんな状態で、「遺族等の意向に配慮」しようがないでしょう。

また、「血液・体液・分泌物(汗を除く)・排泄物などが顔に飛散するおそれがある場合には、不織布製マスク、眼の防護(フェイスシールド又はゴーグル)を使用してください」って書いてあるけど、飛散するようなことは起きないでしょう。いったい何がどう飛散するのか、どういう事態を想定しているのかと問いたい。何度でも言うが、「亡くなった方は息をしない!」。

――その一方で、ここにははっきりと「火葬に先立ち、遺族等が遺体に直接触れることを希望する場合には、遺族等に手袋等の着用をお願いしてください」と書いてあります。

手袋着用で触って問題がないのなら、なぜ、納体袋への密封を指導するのか。記述に矛盾がある。その後ろには、「万が一、遺体の体液等で汚染された場合など」と出てくる。通知のほうにも「万が一」と恐ろしげなことばかり書いているから、業者はそちらのほうに忖度せざるをえず、画一的な対応をとっているのではないか。

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