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コロナ危機の今こそ考える!「税を払う」深い訳 国難を乗り切るには「無償の愛」が何より必要

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  • 浜 矩子 同志社大学ビジネススクール教授
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思えば、担税力のある者は恵まれている。なぜなら、納税することで人を助けることができるからである。人を助けるためにボランティアをすることはすばらしい。だが、それを実行することはさほど容易ではない。大いにその気があっても、時間を捻出できないかもしれない。助けたい人々がいる場所が遠すぎるかもしれない。だが特別なことをしなくても、普通に働いて、きちんと納税すれば、それが人の役に立つ。そのために税金というものがあるのだ。

納税する側も徴税する側も、人々皆がそう思うようになれば、日本は人々が共に生き、共に支え合うとってもすてきな国になるはずだ。もちろん、日本だけではない。世界中がそうなっていくはずである。

納税とは、要するに無償の愛の表現だ。「人はなぜ税を払うのか」というテーマと向き合って執筆を進める中で、この認識が確信に昇華した。決して見返りを求めず、より好みやえこひいきを決してせず、それが誰であるのかを決して知ろうとせずに、他者のために差し出す。それが税金だ。

人々の無償の愛の表現をお預かりしている

新型コロナウイルスの襲来という全人類的災禍に見舞われている今、われわれはお互いにいまだかつてなく、力を込め、心を込めて無償の愛を提供し合わなければいけない。そのための行動の1つの形態が、しっかりした租税認識に基づく納税だ。

徴税側には、自分たちは人々の無償の愛の表現をお預かりしているのだという意識が深く強く根づいていかなければならない。徴税責任者たちの中にこの意識が浸透したとき、財務省のホームページから「租税会費説」が消えるはずである。その日が来ることを祈る。

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