見た目も好みで4歳上の彼を飲みに誘い、仕事の悩みを打ち明けながら泣いてしまったこともあるという島田さん。慶応で鍛えた「女子力」の高さを感じさせるテクニックである。
「アピールとかじゃないですよ! あの頃は本当につらかったのです。何をやってもうまくいかないし……。好きだったテレビを見ることすら嫌で、外に出たくない気持ちでした」
と言いつつ、自分から仕掛けて付き合うことに成功した島田さん。1年後には「将来を見据えて」同棲することになった。
結婚の駆け引きは戸棚の中で行われる
「お互いに相手の嫌なところが見えたら別れればいいと思っていましたが、意外と見えないものですね。居心地はいいけれど(結婚する)きっかけがないのです。一度だけ、2人で泥酔するまで飲んだ後に、婚姻届を入れた封筒を彼から手渡されたことがあります。でも、開けてみたら彼の欄は書いてありませんでした。とりあえず何も書かずに机の上に置きっぱなしにしておいたら、彼としては許せなかったらしくて戸棚にしまわれてしまいました。今でもたまに戸棚をのぞいて『まだある』と思っています」
あるとき、封筒が消滅していたら別れの合図なのだろうか。相手は変わるかもしれないが、島田さんは結婚退職も視野に入れている。
「疲れちゃったんです。好きな仕事だけど、このペースで働き続けるのは無理。時短で働くか、ほかの職種に転換するか、まったく違う会社に行くかの選択肢しかないと思います。でも、テレビのほかにできそうな仕事はないし、頑張っている人を見たり、人と話すのは好きだし……」
島田さんの悩みは尽きない。キー局で働く社員は経済的には恵まれているが、労働環境は過酷なようだ。かといって、17時に退社できる閑職で働くことは、島田さんのプライドと情熱が許さない。日本の企業社会において、結婚や子育てと「第一線の仕事」が普通に両立できる日が、いつか来るのだろうか。
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