「働きたいけれど働くことができない子どもたちを取り上げた番組制作にかかわりました。想像以上に反響が大きかったですね。その子どもたちを支援するという人も現れました。社会に影響を与えられる仕事なのだと思い、テレビで表現することの面白さを知った気がします。テレビって目の前で動いている大きなニュースを取り上げがちですよね。演出をしちゃうこともある。でも、たまには役に立てることもあるのです。今は誇れる仕事をしていませんけどね……」
数年前から東京の本局で働く島田さん。テレビの仕事は「面白いし好き」だと思いながらも、忙しすぎる不規則な毎日に疑問を感じることもあるようだ。
特に結婚に関しては考えることも多い。慶応時代からの女友だちは「95%」が結婚したという。都内の大卒31歳にしては高すぎる数字のように思うが、自他共に認めるエリート美女たちは、人生設計もきっちりしているのだ。
フェイスブックを見るとセンチメンタルになります
「とりたてて焦っているわけではないのですが、大雪で外出したくなかった日に、友達がフェイスブックに『子どもと一緒に雪遊び。雪の日、万歳!』なんて書いているのを見ると、『幸せって何だろう?』と思ってしまいます。自分も家に入って子育てをする選択肢があったかもしれないのに、今こうしていていいのだろうかって。(ほかの業界で働いている)友達と飲みに行く約束をしても、スタート時間が19時だと『早くない?』と思ってしまう。24時から飲みに行きたい自分たちは尋常じゃないですよね。会社の同期は半分ぐらいが未婚です。結婚している人をねたんでいるわけじゃないのです。でも、私自身がこんな感じになるとは、学生時代は思わなかったな……」
ランチタイムなのに熱燗が似合いそうな話題である。あらためて飲みに誘いたいなあと思っていると、社内恋愛中の恋人がいるという。ああ、そうですか。
島田さんを紹介してくれた友人によると、東京の本局勤務の社員たちはエリート意識と競争心が強く、「助け合わない」雰囲気だという。支局から異動して来てしばらくは、右も左もわからない状況で仕事だけ割り振られ、精神的に追い詰められやすい。「例外的に優しい同僚」に恋しやすい状況ともいえる。
「東京に戻って職場でポツンとしていたときに、声をかけてくれたのが制作会社の編集さんでした。『言ってくれれば(ニュース番組で使用する過去の)映像を全部出しますんで』と言ってくれた。今、考えると当然の業務なんですけれどね(笑)。あのときは『なんで私に優しいんだろ?』と思ってしまいました」
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