タレントアナリティクスで人事を考え直そう アナリティクス全盛時代の人材マネジメント(中)

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パフォーマンスファクターは、以下の流れで定義を進める。

① 中期経営計画や事業戦略に従い、自社が強化すべき業務領域や競合との差別化ポイントを特定

② 自社の人材が強化領域で結果を出したり、差別化ポイントを際立たせるために必要な要素を抽出・体系化

③ 要素ごとの習熟度レベルを定義

②の要素抽出と体系化を進める際、①で特定した主要業務・競合との差別化ポイントは自社独自の項目を含めて定義する一方で、コモディティ化している業務は一般的な項目のみで整理し、外部委託先の人材との比較を容易にしておくこともポイントとなる。

人材をパフォーマンスでとらえ直すことは、多様化する雇用形態において、水平的基準で評価することも可能にするため、今後、ますます職場に増えるシニア、女性、パート社員のさらなる活用も期待できる。アイリスオーヤマでは、家電メーカーで豊富な経験を持つ退職者の中から、自社に不足している家電の商品開発力を持った技術者を中途採用している。20~30年間にわたって商品開発に携わってきた技術者の知識/スキル・経験に、アイリスオーヤマの持つ生活者目線のマーケティング力を組み合わせ、わずか3年で家電分野の売上高は約10倍に達した。

 パフォーマンスファクターでとらえることにより、多様な現場のニーズに応じて、広い人材プールから、より精度の高いマッチングができるようになる
■退職しない人材のもつパフォーマンスファクター見極め(Transcom社)
 グローバルにコールセンター事業を展開しているTranscom社では、タレントアナリティクスを活用して定着度合いの高い候補者を採用し、退職コストを下げている。
 同社ではいくつかの評価要素の中でも、特に「率直さ」の要素が高い従業員ほど、在職期間が20~30%長くなることが判明したため、面接時には「PCの単純作業が苦にならないか」「ショートカットキーを知っているか」といった質問をしたうえで、実際に作業をさせて、その結果と照合して選定し、約20%の採用抑制を実現している。
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