「パン消費量日本一」京都人の意外すぎる食事情 「進々堂」「SIZUYA」など名物店の魅力も紹介

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「進々堂寺町店」には「〝雑穀生活〞のせのせプレートセット」というメニューがあって、雑穀入りで種類が違う食パン半切れが3つと、マヨネーズ卵、アボカドのペースト、生ハムなどが盛られているプレートで、それとコーヒーのセットをいつも頼んだ。パンには雑穀が混じっているものの、主たる原料は小麦でマーガリンがたっぷりと塗られている。

進々堂チェーンでは、コーヒーのおかわりはタダ。特に、この寺町店は熱心にテーブルを回って、コーヒーをふるまってくれるのが嬉しい。私は、この店で最低3杯はもらうし、5杯飲んだことも稀ではない。断わらない限り、際限なくコーヒーが飲める。私が知る限り、私以上に回数を重ねている人は見たことはなかった。美味しいコーヒーかというと、うるさ型には不評かもしれないが、私には十分に美味しい。

この店で何よりもいいのは、建物に年季が入っていて、外観はレンガ造り、内装はレトロ感たっぷりの京都情緒が味わえることである。京都を去ることで残念なのは、この店に顔を出せなくなったことだ。従業員の女性たちとは4年越しのお付き合いなので、なかの一人は私が席に着くか着かないかのうちに、「雑穀プレートですか」と囁いてくれるほどであった。

京都人のソウルフード「カルネ」

パン食大手の「SIZUYA」について語ろう。このチェーン店の売り物は、京都のソウルフードだと言われるほど有名な「カルネ」であろう。店内に足を踏み入れると、たいていとっつきのケースのなかに山積みというくらい並べられているので、誰でもそのパンが一番の売れ筋であることを知るだろう。

「カルネ」は京都人のソウルフード(画像:「SIZUYA」公式サイトより)

直径10センチほどの丸形のパンを半分に切り、そこにマーガリンを塗って、薄いハムとタマネギが挟んであるだけの素朴な品だが、かじりつくと見かけの材料以上の旨みが広がる。パンは少し堅いので、歯が丈夫な人向きである。

SIZUYAの店舗は京都駅、地下鉄烏丸、烏丸御池、河原町三条、京阪三条駅など、私が知るだけでもこれだけの店舗がある。イートインが大きいのは、河原町三条店だ。

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