新型コロナ「便乗商法」はどこまで防げるのか

消費者庁は対策を強化するが監視に限界も

新型コロナウイルスの感染拡大から店頭でのマスクやアルコール関連の商品は払底が続く。その一方で、コロナに便乗した見逃せない動きがある(編集部撮影)

「今、とても売れています」。3月下旬、都内のスーパーマーケットに足を運ぶと、そう書かれたポップが目に飛び込んできた。海藻食品あおさの入った段ボールに掲げられたものだった。

あおさは、中部大学が2020年2月20日に公表した「海藻の『あおさ』にヒトコロナウイルス増殖抑制効果を確認」というプレスリリースで注目された。これにより、「新型コロナウイルスにも効くのではないか」という認識が消費者の間に広がった。中部大学は公表から5日後、「事実に基づいた内容ではない部分を強く印象づける結果となり、その反響も大きく皆様にご迷惑をおかけする状況となった」と、リリースを撤回している。

しかし、それから1ヵ月ほど経っても、冒頭のようにスーパーで「売れている」と強調して販売されていた。このように新型コロナに対する消費者の不安感に「便乗」した売り方は、あちこちで見受けられる。

ECでの不適切な販売の監視を強化

「この時期のウイルス対策に」「免疫力アップでウイルス撃退」――新型コロナの感染が拡大する中、EC(ネット通販)、そしてスーパーや薬局などの小売店店頭では、そうしたうたい文句が増えている。

消費者庁は「新型コロナについては症状特性が必ずしも明らかでなく、(商品の宣伝に使われる)新型コロナの予防効果は根拠に欠ける」とする。そのため、2月25日~3月6日、3月9日~3月19日と2回にわたりインターネット上の商品表示について緊急監視を実施。その結果、3月10日と3月27日、新型コロナの予防効果を表示した商品を販売する事業者に対して行政指導を行った。

対象となった商品には食品だけでなく、空気清浄機、空間除菌剤なども含まれる。問題となった表現には「あおさ、新型コロナ対策」「ビタミンCはコロナウイルスから体を守る」などさまざま。消費者庁は現段階までに64事業者に行政指導を行い、該当する87商品すべてについて、新型コロナ対策に効果があるかのような宣伝の文言が削除された。

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