医療従事者の「悲痛すぎる声」が映す崩壊の現実

人も資材も設備も限界、差別という非道な例も

欧米で見られるような医療崩壊が日本でも起こりつつある(写真はフランスの病院で4月1日撮影、ロイター/Benoit Tessier)

新型コロナウイルスの感染拡大により、「医療崩壊の寸前」「もう崩壊しているのではないか」といった声が広がっている。では、医療従事者たちはどう見ているのか。「日本医療労働組合連合会」(医労連)と、全国約160の国立医療機関で働く人々たちでつくる「全日本国立医療労働組合」(全医労)。この2つの労組執行部に実態を聞いた。

「問題はちっとも解決、改善されていない」

医労連は医療従事者による国内最大級の産業別労働組合で、傘下に全国約17万7000人の組合員を持つ。その危機感が“爆発”したのは、政府が7都府県に緊急事態宣言を出した4月7日だった。東京・霞が関の厚生労働省で、医労連の男女10人がマスク姿で記者会見。「『新型コロナ』と向き合う医療現場の訴え」と題する資料を基に、現場の悲痛な声を次々と明らかにしたのだ。

その10日後、取材(接触を避けるために電話取材)に応じた三浦宣子副委員長は「ずっと前から政府はマスクを確保するとか、生産態勢をどうのこうのと言っていているが、ちっとも解決、改善されていません。医療機関全体でどれだけ必要で、今の確保量がここまでで、というところも明らかにしてもらってないんです」と訴えた。医療機器や備品などの必要量や供給見通しすら正確に把握できていないのではないか、という疑念である。

人員のやりくりも限界に近づいている。

「感染の対策にも人手がかかるし、重症の患者さんにはもっと人手がかかる。年休の取り消し、夜勤回数の増加などの報告も上がってきています。政府は(政策として近年)、『医療従事者が多すぎる』として急性期の病床を減らしてきました。定常状態でも、夜勤時に2人で数十床を診るとか、夜勤が月に9回も10回もあるとか。だから、コロナウイルス感染拡大のようなことが起これば、それこそまったく足りないんです」

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