子供の学力向上に「芸術鑑賞が効く」意外な理由 日本人が知らない「アート教育」メリット4選
近年、日本は空前のアートブーム。ゴッホ、フェルメール、ムンク、ブリューゲル、クリムトなど、美術史を代表する画家たちの代表的な作品が、日本の美術館で相次いで公開される度に、すごい行列ができています。書店には「美術鑑賞」の解説本が何冊も並び、雑誌でも美術展特集が組まれたりしています(惜しむらくは、コロナの影響で美術展の延期が続くことですが)。
内閣府の芸術に関する世論調査(平成28年)によると、ここ1年で美術鑑賞をしたことのある人の割合は、22.5%。つまり、日本人の約8割は美術館にいかないということ。これだけの名画が日本に来ているというのに、もったいない話です。
美術鑑賞といっても、「特に興味がない」「見方がよくわからない」という人も多いと思います。しかし、美術鑑賞によって脳が活性化し、ビジネススキルがアップするなど、現実的なメリットが得られるとするならばどうでしょうか。
今回は「美術鑑賞の4つのメリット」を紹介します。
「美術鑑賞」の4つのメリット
「知能が高く、創造性が低い子ども」と「知能はやや低いが創造性が高い子ども」。成績がいいのはどちらでしょう?
知能、創造性と成績との関連を調べた研究によると、なんと「知能はやや低いが創造性が高い子ども」のほうが学校の成績がいい、という結果が出ています。創造性を鍛えることによって学力を上げることができる、これは、ゲッツェルス・ジャクソン現象と呼ばれています。そして、創造性を鍛えるために効果があるのが、芸術鑑賞です。
Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)の頭文字をとってSTEM 教育が重要といわれ、アメリカではオバマ政権の頃から官民の国家戦略に組み込まれていました。最近ではそこにArts(芸術)を加えてSTEAM 教育が重要といわれています。
イノベーションを生み出すためには、科学的な知識や考え方だけでは不十分で、ゼロから新しいアイデアを生み出せる「創造性」が不可欠です。そして、その「創造性」はアート教育、つまり芸術鑑賞でアートに触れる、そしてアート作品をつくることで養われるのです。「創造性」は人工知能が最も苦手とする分野なので、テクノロジーが急速に進化するAI 時代を生き抜くためには、人間は「創造性」で勝負するしかありません。
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