トランプがコロナ抑止へ米国民に求めた"修行"

東京がNYの"二の舞"にならないためには?

新型ウイルスの感染拡大について記者会見するトランプ大統領(写真:AP/アフロ)

アメリカのドナルド・トランプ大統領が、国家非常事態宣言を発したのは3月13日だった。その1カ月後の4月12日には、全米で新型コロナウイルス感染による死亡者が1万8000人を超え、イタリアを抜いて世界最多となった。その数は今も増え続けている。

その一方、トランプ大統領は会見で、「アメリカ経済はスーン(まもなく)再開するだろう」と、「スーン」を連発。記者団に楽観的な見通しを示した。

はたして、こうした見通しはトランプ大統領が得意とする“はったり”にすぎないのか、それとも何らかの確信に基づくものなのか。もし後者であるとするならば、アメリカの採ろうとしている方策から日本が学べることはあるのか、考えてみたい。

トランプ流「感染抑止」の極意

全米の死亡者数の4割を占めるニューヨーク州の死亡者数は、1万人を超えた。同州のアンドリュー・クオモ知事は、この数が2001年の同時多発テロの死亡者数をはるかに上回っていることに触れ、ニューヨーク市民に厳しい行動自粛・制限を呼び掛けている。

この行動自粛・制限は「ソーシャルディスタンシング」(社会的距離・隔離)というもので、クオモ知事は市民に対して、このソーシャルディスタンシングの“修行”が必要と説いている。

“修行”の先に明るい未来が開けるというのは、トランプ大統領の感染防止作戦の極意でもある。これまで歴代アメリカ大統領の6人のアドバイザーを務め、現在、トランプ大統領のウイルス対策チームの重鎮であるアンソニー・ファウチ医学博士も、その作戦を支持している。

同博士は、トランプ大統領の発言に時々、真っ向から対決することがある。しかし、冒頭の「スーン」連発会見の際は、顔をしかめるどころか、静かな表情で聞いていた。楽観的な見通しの前提として、これからしばらくの間、ソーシャルディスタンシングの修行が必要になると丁寧に説明したからだろう。

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