「コロナ恐慌」後、アメリカを待つ4つのシナリオ

「ニューアブノーマル」時代がやって来るのか

当然ながら経済対策も「リーマン越え」である。アメリカでは家計宛てに直接小切手を配る、失業保険の拡充、企業向け融資、医療機関支援などを含めて、総額が実に2兆ドル。2009年にオバマ政権が実施した経済対策は8000億ドルなので、ドナルド・トランプ大統領はこんな形でも「俺の方がオバマより上!」を実現したことになる。

それから、前回にご指摘した米連銀バランスシートのグラフも、最新の数値をご確認願いたい 。「無制限の量的緩和」の結果、グラフの右端が「ピーン」ととんがっている。3月30日時点で史上最大の5兆8116億ドルで、QE3(量的緩和第3弾)のときの水準を大きく上回った。加えて4月9日には、民間企業への資金供給を可能とする2兆3000億ドルを用意したという。

今後予想されるアメリカ経済のシナリオとは?

こんな非常時を迎えたアメリカ経済は、これからどうなるのか。NYダウ工業株30種平均は今年2月には史上最高値で3万ドル台に接近したが、このコロナ危機で3月下旬には1万8000ドル近辺まで下げた。それが直近では「すでに感染はピークを過ぎた」との安心感が広がり、2万3000ドル台まで戻している。

ちなみに2016年11月9日、トランプ氏が当選した翌日のNYダウ平均は1万8589ドルであった。株価が2番底をつけてこの水準を割り込むことは、トランプ大統領としては容認しがたい事態であるに違いない。このことは覚えておいて損はないだろう。

それでは、これから先のアメリカ経済と株式市場をどう見るべきか。かかる不透明性の時代の個人投資家は、いろんな可能性に備えて頭の中の整理をしておきたい。以下はちょっとしたイメージトレーニングである。

次ページ4つのシナリオで可能性の高いのはどれだ?
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コロナ危機の自動車部品メーカーへの影響は、過剰な設備と人員を抱えていた日産系でとくに深刻。比較的堅調だったトヨタ、ホンダ系も無傷ではありません。世界レベルでの技術開発競争は激化の一途で、生き残りへの再編と淘汰が始まろうとしています。