「コロナ恐慌」後、アメリカを待つ4つのシナリオ

「ニューアブノーマル」時代がやって来るのか

(1)V字型シナリオ

まずは超楽観シナリオから。トランプ大統領は、「6月1日には経済活動を再開する」と言っている。「そりゃあ無茶だ」、と思われるかもしれないが、武漢市の都市封鎖も4月8日に解除され、都合2カ月半で済んだことになる。だったらアメリカ国内の感染も、6月頃に下火になっていたとしても不思議はあるまい。

あるいは、ワクチンや特効薬が早期に開発されるかもしれない。そんなときに、恐怖から解放された人々の消費意欲が爆発することは想像に難くない。特に今回のように「慣れない我慢」をしてきたアメリカ人が、どんな風に喜びを爆発させることか。

失業保険の給付を受けていた人たちも、消費の回復とともに職場に復帰してくる。生産設備も順調に再稼働する。トランプ大統領は大差で再選され、株価もあっけなくNYダウ平均で3万ドル近辺に戻ってくる。

(2)U字型シナリオ

コロナの感染拡大は何とか夏頃には収まるけれども、経済活動は急には戻らない。消費も当面はおっかなびっくり、という感じになる。特に問題なのは、国境を越える人の往来が極端に減ってしまったこと。貿易量も減少し、グローバル・サプライチェーンも各国が見直しを始める。ゆえに生産活動は急激には戻らず、対外投資も低調に推移するだろう。

となると、景気は年内いっぱいくらい底這い状態が続くのではないか。この間の株式市場は、「巣ごもり消費」や「ネット関連」、あるいは「コロナ特効薬」などのテーマを追い求めることになるが、最高値を更新することは当面望み薄となる。

しかし、世の中はそう捨てたものではない。人間、どんな辛いこと、怖いことでもいつかは慣れるし、どうかすると忘れてしまうものだ。かつてのリーマンショックがそうであったように、人々の意識はいずれコロナから離れる。あいにくそれまでには時間がかかるし、トランプさんの再選確率もかなり際どくなりそうだが。

(3)L字型シナリオ

コロナの感染拡大は年内に収束するけれども、人々の生活スタイルはなかなか元に戻らない。個人は他人と会うことを避け、企業はなるべくリスクを取らず、政府の援助に頼ろうとする。そんな状態が長く続く結果、世界経済全体の生産性が低下してしまう。長期金利は各国でゼロ近辺に張り付き、「世界全体が日本化した」などと称されることになる。

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