フランス人にとってペットはつねに大切な存在でしたが、隔離生活でその重要性は増しています。今回、最大1時間までの外出規制の中で免除対象の1つとなっているが、「犬の散歩」。突然、家族みんなが犬の散歩に出たがるようになっている様子を見るのはとても面白いです。中には散歩が多すぎて疲労困憊している犬もいるくらいです。
ランニングも然り!(家から遠く離れていなければ)ランニングをすることは許されています。もちろん、ポケットの中にはつねに外出許可証を携帯していなければいけません。いつ何どき警官に呼び止められるかわからないからです。ちなみに、最新バージョンは外出時間まで記載することを求められています(パリでは、4月8日にはついに、昼間のランニングが禁止になってしまいました)。
DVが増えているという懸念
3週間以上に及ぶ隔離生活の中で、大きな問題も生じています。1つが家庭内暴力(DV)の増加です。政府はこの期間中、専用ダイヤルを設置しましたが、DVの報告件数は過去2週間で当初の5倍に増えています。
もっとも、今のように暴力を振るう相手がすぐそばにいる場合、専用ダイヤルに連絡することは容易ではありません。そこで今では薬局やショッピングセンター内に、仮設のヘルプセンターが設置されるようになりました。
一方、児童虐待は学校が休みとなっているため、これまで以上に見つけるのが困難になっています(フランスでは、ほとんどのケースは学校からの報告で判明します)。そこで国民は、近所などでなんらかの疑わしい事例があれば通報するよう呼びかけられています。
隔離生活が長引くにつれ、「個人主義」で知られるフランス人にもある種の連帯感が生まれています。例えば、最近では毎晩8時になると、皆そろってバルコニーに出て、医療スタッフたちを称えます。彼らは今や国民のために戦っている英雄と言える存在。このアイデアはもともとイタリアで生まれたものですが、フランス人はイタリア人ほど歌がうまくないため、医療スタッフへの畏敬の念を表して大きな拍手を送っています。
感染者が増え続ける中、どの病院でも医療スタッフは不足しています。こうした中、医大の最終学年の学生や、リタイアしたばかりの医師や看護師たちも病院に駆り出されています。もちろんボランティアとして、です。こうしたギリギリの総力戦が続いているのです。
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