BCGの母が“ひねり出す”新しい「昇進」

全員が役員を目指す職場で、どう生きていく?

もともと、「世の中を大きく変える仕事がしたい」という動機が強い塚原さんは、クライアントに影響力を発揮するコンサルティングの仕事に興味を持った。しかし、役所でやりたいこともまだまだたくさんあったし、「国費留学生」だった立場もあり、悩むことなく役所に戻った。が、2年ほど役所で仕事をする中で、役所とはまた違う形で世の中へと影響を与えるコンサルティングの仕事を思い出したという。

そこで、2年ぶりに再びBCGの採用担当者に連絡を取った。

「役所では、一生懸命、政策を練った後、最後の実行段階はやっていただくことがほとんどです。ですから、戦略の実行(インプリメンテーション)に力を入れるBCGに引かれたのです。この会社、同業他社と比べても、いちばん、しつこそうだなって(笑)」

留学費用を自身で返済のうえ、BCGに転職を果たした。ちょうど30歳のときだった。

BCGに転職しコンサルタントになると、役人時代以上の激務が待っていた。だが、クライアント企業の現場の人と一丸となって改革を実行していく仕事は、塚原さんの性にあった。

「転職してひたすら2年間は、製薬会社の営業改革の仕事で九州や仙台など地方の営業拠点を飛び回り、一人ひとりに営業の指導をする毎日でした。もちろん大変な仕事でしたが、役所時代には「実行」部分をやっていただくことが多く、自分で飛び込めないもどかしさを感じていたので、現場に入り込むのは望むところでしたね」

ニューヨーク赴任中に訪れた、2つの転機

2006年、33歳のときには、BCGのニューヨーク拠点に短期赴任する機会にも恵まれた。

「ここで早くも、米国の製薬会社のダイバーシティのプロジェクトを担当させてもらい、ダイバーシティの必要性を実感したり、BCGで時短で働きながらも昇進し、時短のままパートナー(一般企業の役員に相当)になった人に出会うなど、女性がプライベートと両立しながらどうやって働き続けるかについて、たいへん影響を受けましたね」

このときの経験が、後の塚原さんのキャリア形成に活きるのだから、海外赴任など、挑戦しがいのある経験は何でも経験もしておくべきだと実感させられる。

ところで、塚原さんはニューヨーク赴任中に、大きな2つの転機も迎えていた。

ひとつは、結婚したことだ。

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