BCGの母が“ひねり出す”新しい「昇進」

全員が役員を目指す職場で、どう生きていく?

3人の母になって探す、新しい役割

プリンシパルに昇進した塚原さんには、プライベートでもうれしいニュースが待っていた。第2子の妊娠だ。

今度は長めに1年2カ月休職し、2012年10月に復職したが、2度目の復帰前は「戻るべきか辞めるべきか」、あるいは「戻るなら、どんな働き方をすべきか」で、随分悩んだと言う。

「ワーキングマザーはみんな悩むことだと思います。2人の育児をしながら、コンサルティングの仕事を続けられるのか? この会社にいる以上、先々はパートナー(役員)を目指さねばならないが、それができるか? などと考えると、そこまで自信がありませんでした」

また、第1子のお子さんを、幼稚園に入学させたことで、仕事との両立が困難になることは、容易に想像がついた。

「これまで預けていた認証保育園はいい保育園だったのですが、園庭がないためか、年齢が上がるにつれ男の子はほとんど辞めてしまい、同学年の男の子が2人だけという事態になっていました。そこで、長男には広い庭のある幼稚園で、たくさんの男の子同士が遊べる環境を作ってあげたくて、幼稚園に行かせたのです」

 復職にあたり、塚原さんはこうした家庭の事情や自分の考えを、素直に上司に相談した。

すると、こんな温かい返答が待っていた。

「どんな働き方だったら、BCGで仕事を続けられるか考えてみてよ」

普通の会社だったら、ワーキングマザー向けの両立支援制度があるだけでもありがたく、その制度にのっとった働き方が求められる。

ところがBCGでは、そうした制度の範囲内を超えて、確たる価値を会社や顧客に提供できれば、自分が望む働き方を提案することができる。 そこで塚原さんは、あらためて自分が求める働き方を模索し、上司にこう告げたと言う。

「せっかく苦労してプリンシパルにまで昇進したので、コンサルティングの仕事はあきらめたくない。ただし、働く時間のフレキシビリティはほしい。昼間にピョイとオフィスを抜け出して、子どもの幼稚園のお迎えをし、その後、自宅に戻って仕事を続ける。そんな在宅勤務を含めた働き方が理想だと伝えました」

BCGでは、数カ月程度のプロジェクトごとに仕事が割り振られ、タイミング、能力、また本人の希望を会社と相談しながら、参画するプロジェクトを決定する。いくつかのプロジェクトの中から、塚原さんの希望と、会社が求めることが一致し、第2子の育休後の最初の仕事として選んだのは、「ファシリテーター」という仕事だった。

次ページ第3子出産後も、”ひねり出す”
キャリア・教育の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • Amazon週間ビジネス・経済書ランキング
  • 最新の週刊東洋経済
  • 実践!伝わる英語トレーニング
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
消える仕事、残る仕事<br>1億人の「職業地図」

コロナ、AI、脱炭素――。私たちの雇用を取り巻く環境が激変しています。今後、どんな職業を選ぶかは死活問題に。2030年に向け「消える仕事」「残る仕事」36業種、「会社員の価値」がわかる9職種を掲載。本特集が職業を改めて考える機会になれば幸いです。

東洋経済education×ICT