日本同様、アメリカでも女性従業員は、責務が重いマネジャーになった時点で両立が困難になり、キャリアの継続をあきらめる人が多い。このような事態を防ぐため、先進的な企業では、「昼リーダー」「夜リーダー」といった具合に、リーダー同士が業務と情報をシェアして、ひとつの役割を全うする動きが盛んになっているのだそうだ。
もちろん、「時短リーダー」は働く時間が減るだけ給料も減るが、スキルとキャリアを保てる利点がある。
こうした会社の協力もあり、塚原さんは第1子の育児を優先しながら、プロジェクト・リーダーの仕事も続けることができた。
しかし、初めての育児とハイプレッシャーな仕事の両立はそう簡単ではなく、塚原さん自身、ふらふらになるほど消耗したと言う。
「両親は高齢で体調を崩しがちなため、子どもの面倒を見てもらうことはあまりできません。だから、子どもは保育園に預け、時には延長保育を利用することもありました。子どもが風邪をひき、病院に連れて行き、やっと治ったと思ったら、今度は私にうつるの繰り返し。
それでも、仕事は休まず頑張っていて、何回かドーンと40度近い熱が出たこともありました。『大丈夫です、プレゼンには行きます』なんて意地を張って、お医者さんから『点滴を打って寝ていなさい』とドクターストップがかかったことも。そのときは、『バックアップリーダー』に代わりにプレゼンをしてもらいましたが、会社や周囲の方には随分迷惑をかけてしまいましたね」
普通はこの時点で、両立は無理とくじけそうになるところだが、塚原さんはそうはならなかった。
「やはりコンサルティングの仕事はやりがいがあり、『辞めよう』とは思いませんでした。目の前の育児と仕事をやるのに必死で、思考する暇がなかったからかもしれませんが」
幸い、ご主人は、お子さんの保育園に送り迎えや洗濯、そしてお子さんのお弁当作りまでやってくれるなど、育児に協力的。だが、多忙な2人は、掃除までは行き届かず、塚原さん自身、「基本ほったらかし」と言い切るほど。
「でも、私が家事をサボっても夫は何も文句を言わないのが救いですね。文句なんて言えない雰囲気が漂っているのかもしれませんけど(笑)」
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