坂上忍さん「大変なときに自分をいたわる技術」

何度も失敗しながら学んできたこと

「学校へ行きたくないときは僕にも」坂上忍さんが不登校の子に語った本音とは?(写真:不登校新聞)
「自分の悩みを本気で打ち明けてみたい人は誰ですか」。そう聞いてみたら不登校当事者から、こんな答えが返ってきました。「俳優・坂上忍さんです。坂上さんみたいな大人になりたいからです」。彼女の思いをベースに取材依頼したところ、なんと快諾。テレビの生放送直後にお話をうかがいました。(東京編集局・石井志昂)

自分の意見を主張しすぎて何度も失敗してきた

――私は「一生に一度でいいから、坂上忍さんに人生相談をしてみたい」と思っていました。私はまわりの人にすぐ流されてしまい、自分の意見も押し殺してしまいます。坂上さんは、批判されるようなことでもブレずに主張されていて、すごく憧れます。どうやったら、坂上さんみたいな大人になれるのでしょうか。(15歳、女性)

いや、僕みたいにはならないほうがいいと思いますけどね(笑)。僕は気質的にネガティブな人間で、悩んでいた時期もありますよ。

当記事は不登校新聞の提供記事です

でもいろいろ経験させてもらって学んだのは、「人に流される」必要はないけど、「人に合わせる」のは絶対に大事だってことです。

バラエティ番組でもお芝居の仕事でも、現場はすべて共同作業です。僕が出演している『バイキング』という番組には、100人以上のスタッフが働いています。

その全員が言いたいことを言い合っていたら、収拾がつかなくなりますよね。僕は小さなころからお仕事をさせてもらっていますが、自分の意見を主張しすぎて何度も失敗してきました。

それこそ、さんざん怒られてきましたよ。それで本音をぶつけるんじゃなくて、「言い方を変えてみよう」とか「こういう順番で伝えるべきだったな」などのことを、たくさんの人から勉強をさせてもらいました。

一方、僕は今、子役のスクールをやっていて、いろいろな個性をもった子がやって来ます。積極的に前に出てくる子やはっきり意見を言う子は、スクールのなかでも目立ちます。

しかし「人に合わせる子」はどうしても隠れがちになってしまいます。劇の配役をするとき、積極的な子を主役に選ぶのは簡単です。

だけど僕が配役をできるときには、全員が主役になれる場を作るようにしています。あえて消極的な子をメインに置いたら、自分の主張が出てくるかもしれないし、恥ずかしい思いをしても主役の立場がわかれば、それも経験になるでしょう。

次ページそれぞれが役割を果たし、成立する
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