子の自立のきっかけ妨げる親がしがちなNG行動 難関中合格に必要なのは考える力と思考力だ
講演会でもよく言うのですが、悪く言えば「子どもはずるい生き物」です。本当は自分でできるのに、できないフリをしていたほうが楽だと思ったら、甘えてできないフリをして、やってもらおうと考えます。
そして保護者の方は、そんな打算的に甘えてくる子どもたちを可愛いと思って、つい手助けしたり、構ったりしてしまいます。
時間を掛けて自分でやらせるのを見守るよりも、ハイハイと言って自分がやってあげるほうが楽だという面はあるでしょう。しかし、自己責任や自己管理力を育てていかないと学力も身につきません。
つまり、むやみやたらに手を出してはいけないのです。時間が掛かっても、子ども自身が嫌がっても、やれるのなら自分でやりなさい、という事柄を1つでも2つでも見つけて、少しずつ増やしていきましょう。そうしないと、いつまでたっても甘えから脱することができません。
私が学園長を務める希学園でも、自分で出したごみを自分で拾うようにしたり、自分が使った物をちゃんとあとの人が使いやすいように整理整頓しておくようにしたりするなど、小さなことでも、子どもたちに日頃から「できることは自分でやる」を意識させる状況を作るようにしています。
この話は、保護者の方にもなかなか伝わりにくいです。いや、伝わっているのでしょうが、なかなか行動に移すことが難しいのですよね。
感覚的な解き方では力は伸びない
「思考力」と学力の関係をもう一歩詳しく説明しましょう。
問題を解くには、答えを考える以前にどういう条件が与えられていて、何を問われている問題なのかを自分で正しく把握し、理解する必要があります。つまり、考えはじめる前に「何を考えないといけないのか」を正しく把握して整理できていないといけません。
しかし感覚的な部分が強い子どもたちは、とにかく目にした情報の中から都合のよさそうな情報だけをピックアップして答えを導き出そうとします。問題を解くとき、まずは問題文を読むことからはじめなければいけませんが、多くの子どもたちはいい加減で雑な読み方しかできません。
さらに、特に低学年の頃は答えるのも当てずっぽうで「どれかな〜、たぶん3かな。でも1も正解かも。じゃあとりあえず3にしておこう」くらいの感覚でしか考えられていません。
ですから、問題文を雑に読んで大切な条件を読み落としたり、適当に答えを出してしまったりします。こういう学習をどれだけ続けても、論理的な思考力は育ちません。
子どもたちも、問題を解くことを単なるクイズ程度にしか思っておらず、「当たったら嬉しい」や「外れたら残念」で終わってしまいます。
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