「住宅業界」コロナショックで大混乱の背景事情

感染拡大と収束の遅れで業界弱体化の懸念も

新型コロナウイルスの影響で混乱が生じている住宅産業。その要因と経緯、今後の展開について考えます(写真:srijaroen/PIXTA)

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響が、これまでインバウンドの恩恵を受けてきた観光とその周辺産業、東京オリンピック・パラリンピックを含む各種イベント産業を直撃している。そして、その中で住宅産業について現在、住宅設備の品薄というかたちで影響が表れ、住宅事業者と施主に混乱が生じている。

本稿ではその要因・経緯を解説するとともに、住宅産業の基本的な構造などを改めて顧みることで、今後の展開について考えてみる。住宅は自動車などと並ぶ内需の柱であり、今後の日本経済の動向を占ううえで重要と考えられるからだ。

部品調達が住宅供給全体に影響

まず、現状、住宅産業でどのような事態になっているのだろうか。2月中旬から住設・建材メーカー各社でキッチンやバス、トイレといった水回り製品の供給に遅れが発生。ハウスメーカーなど住宅事業者はもちろん、消費者にもホームページなどを通じて周知を始めた。

システムバスの事例。バスタブやシャワーだけでなく、さまざまな部品で構成されている(筆者撮影)

例えば、最大手の1つであるLIXIL(リクシル)では「弊社商品納期に関するお知らせ」の中で「中国全土での新型コロナウイルス感染拡大の長期化により、協力会社からの部品供給に遅延が生じ、弊社商品の一部の生産・供給に、遅れなどの影響が出る可能性があることが判明した」としている。

このアナウンスからうかがえるのは、設備を構成する部品の供給がストップし、設備の供給が滞っているということ。また、その生産地は中国であり、サプライチェーンの一部が途切れたことが、今回の事態の原因になっていることを示している。

近年の住宅設備は多様化、多機能化している。キッチンを例に挙げると、レンジフードやガスコンロ、IHクッキングヒーター、レンジフード、食器洗浄機などといった付帯機器があり、それらも同様に品薄状態になっており、影響を大きくしている。

このほか、給湯設備や照明器具、エアコン、ドアなどの内装・建具部材、石材や門扉などの外構部材などにも供給の遅れや品薄状態が発生、またはその可能性が浮上している。

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