チョコの本場で脚光浴びるサラリーマンの人生

「ショコラティエ」兼「部長」のリアル

「世界の優秀なショコラティエ100」に選ばれた会社員とは? (撮影:今井康一)
この連載では、社業を極める「オタク」たちに焦点を当てている。そこには、“好き”を仕事にする、仕事を好きになりたい人に役立つヒントがあると思うからだ。
今回インタビューしたのは、メリーチョコレートカムパニーの大石茂之さん。デパートの売り場で見かける、少女の横顔のロゴでおなじみの同社だが、そのチョコレートは本場フランスの品評会で高い評価を得ている。
品評会には、チョコレート好きなら知っている世界的に有名なショコラティエ(チョコレート菓子職人)が集結する。シェフショコラティエの肩書きをもつ大石さんは、2016年にみたらしと抹茶を合わせたボンボンを創作し、ゴールドタブレットを獲得、およびC.C.C.アワードを受賞した。それでいて、普段は会議に追われる普通の会社員でもある。
酒好きでもあり、チョコレートと日本酒を一緒に楽しむ方法をフランスで講義している。なんとも絶妙な仕事人生。その働き方に迫る。

パリの人も面白がる“日本酒とチョコ”の食べ合わせ

毎年10月ころ、“サロン・デュ・ショコラ パリ”というチョコレートの巨大イベントがフランスで開催されている。メリーチョコレートは2000年から出展し、そこでの品評会で数々の表彰を受けてきた。その実績が買われ、2016年から同イベント内で“日本酒とチョコレートのマリアージュ”という講義を行っている。

――チーズとワインなどで、お互いの味を高め合うような調和する組み合わせを“すばらしいマリアージュ”(フランス語で結婚の意)なんて表現します。大石さんは“日本酒とチョコレートのマリアージュ”を日本やフランスで講義しています。どういった内容なのでしょうか。

チョコレートに合わせた日本酒(撮影:今井康一)

直近の講義では3種類を紹介しました。ひとつめは、チョコレートに使われているのと同じお酒を組み合わせるやり方です。

まず、チョコレートを食べてもらって、お酒の味を感じてもらいます。そしてお酒を飲み、同じ味があったことを実感してもらいます。そのうえで、もう一度チョコレートをかじり、口の中で調和させます。そうすると双方のおいしさが引き出されます。

――なるほど。1+1=2ではなく、3にも4にもなるのですね。ほかにはどんな組み合わせがありますか?

お酒を使っていないチョコレートには、濃いめのお酒を合わせることが多いです。コクがあり、米のうま味がしっかりしているものです。講義では、「出羽桜 吟醸缶」と抹茶フロマージュを合わせました。フロマージュはチーズが入っているので塩味があります。塩はチョコレートと合いますし、つまみになるくらいに日本酒との相性もいいものです。それですべてが調和します。

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