糖質ゼロは一部の人に強い需要があった
――ここ数年、糖質制限が流行っていますが、糖質ゼロの調味料はありそうでなかったと思います。どのような経緯で開発したのでしょうか?
当初は、いろいろなタイプの料理酒やみりんを出すなかでのネタの1つ、くらいのものでした。2011年ぐらいに糖質ゼロや糖質オフのビールが発売され、その翌年から糖質ゼロの日本酒が市場に出てきました。そこで、われわれも糖質オフの清酒を出そうと思ったんです。
なんとか糖質ゼロの清酒自体は造れたのですが、残念ながら、薄っぺらい味になってしまいました。すでに大手が出している市場で勝負するには、よっぽど味がいいかコストメリットがないと難しいと感じ、そこで調味料に舵を切りました。われわれはもともと料理酒やみりんなど調味料のメーカーですし、まだ市場にはどこからも出ていませんでしたので。
――そして2017年秋に糖質ゼロの料理清酒を発売し、2018年春にみりんを発売しました。発売後は想像を超える反響があったそうですね。
いま思うと、発売前には糖質制限の世界をしっかりとは認識できていませんでした。減塩に比べれば、糖質制限は実践している人は少ない。だから、手頃な価格でおいしい糖質ゼロ商品を作れば、手軽に実践できるようになるのでは……程度の考えでした。
ところが、いざ発売してみたら、一部の方から強い反響がありました。糖尿病の方など、糖質を制限しないといけない人たちです。厳密にコントロールしている人やその家族から「ありがとう! これがあれば家族で同じ食事ができる」「以前と変わらないわが家の味が、また食べられるなんて」などの言葉をいただきました。
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