「猫を飼うと結婚できない」説は本当か徹底検証 既婚者は「猫よりも犬好き」のほうが多い!?

✎ 1〜 ✎ 62 ✎ 63 ✎ 64 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

大ざっぱに結論付けるとすれば、犬好きの性格とは、人と共同で何かをするのが好きで、共感力があり、社交性にあふれているのに対し、猫好きは、1人で黙々と創造的作業をするのが好きな職人気質ということがいえるでしょうか。

今までいろいろなデータを見てきてわかるとおり、「犬と結婚と家族」「猫と独身と1人」という親和性はかなり高いものがあると言っていいでしょう。しかし、だからといって、「猫好きは結婚できない」というわけではないし、「既婚者は犬好きしかいない」わけではありません。犬好きか猫好きかが結婚に結びつくというよりは、どちらかといえば本人の性格によるというほうが正しいかもしれません。

未婚と既婚とで幸福度に大きな差

未婚と既婚とでは幸福度に大きな差があります。一般的に、既婚の方が未婚より幸福度が高いのですが(詳細はこちら『なぜか自己肯定感が低い日本の未婚男性の実像』)、その要因の1つに、ストレスホルモンの分泌を抑制する効果のあるオキシトシン分泌量の違いがあります。

オキシトシンは人間同士のスキンシップによって分泌されるホルモンでもあり、別名「愛情ホルモン」と呼ばれます。スキンシップのできる配偶者や子がいる既婚とそれらのいない未婚との違いが幸福度の違いになっている点も否定はできません。

しかし、オキシトシンの分泌は、人間同士だけではなく、ペットとのスキンシップでも促進されます。未婚化、非婚化に伴うソロ社会化で、特に20~40代の飼い主で猫飼育数が増えているという事実は、ある意味「結婚以外でオキシトシンを獲得する」という1つの代替行動なのかもしれません。「恋人がいない」方が猫好きが多いというのも、恋人がいなくても猫によって愛情欲求が満たされてしまうからとも考えられます。

とすると、単に「猫が好き」というだけならまだしも、猫をペットとして共に暮らしてしまうと、愛情が満たされてしまい、恋愛や結婚をする必要性を失うということになります。となると、「猫好きは結婚できない」という言説もあながち間違いではないということになります。

それはそれで1つのしあわせのカタチですが、とはいえ、中には猫好きだけれどどうしても結婚はしたいという人もいるでしょう。そういう方は、猫を飼うのではなく、ネットの動画を見ることまででとどめておいたほうがいいのかもしれません。

荒川 和久 独身研究家、コラムニスト

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

あらかわ かずひさ / Kazuhisa Arakawa

ソロ社会および独身男女の行動や消費を研究する独身生活者研究の第一人者として、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌・Webメディアなどに多数出演。著書に『「居場所がない」人たち』(小学館新書)、『知らないとヤバい ソロ社会マーケティングの本質』(ぱる出版)、『「一人で生きる」が当たり前になる社会』(ディスカヴァー携書)(ディスカヴァー携書)、『結婚滅亡』(あさ出版)、『ソロエコノミーの襲来』(ワニブックスPLUS新書)、『超ソロ社会』(PHP新書)、がある。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事