イタリア、スペインと感染急拡大の欧州事情

第一生命経済研究所の田中理氏の分析

ミラノのドゥオモ広場の前も人影はまばら(写真:REUTERS/Flavio Lo Scalzo)
イタリアでは新型コロナウイルスの感染者は1万7000人を超え、死者も1200人を突破した。続いて、スペインをはじめ、ほかの欧州各国でも感染が広がっている。なぜイタリアでは他の国よりも厳しい事態となったのか、そのことがイタリアや欧州の経済にどのような影響を及ぼすのか、欧州経済が専門の第一生命経済研究所・主席エコノミストの田中理さんに話を聞いた。

 

医療現場の負荷に加え、コミュニケーションの違い

――なぜ、イタリアでは短期間に感染が急拡大したのでしょうか。

イタリアは新型コロナウイルスに感染しているかどうかの検査を、件数でみるとかなり行っている。それがよいか悪いかというのは慎重に判断する必要がある。

ただ、死者が多く出ている原因の一つに、検査をしたことで多くの人が病院に殺到し、医療現場に負荷がかかったことはあるようだ。院内感染も多い。

加えて、イタリア特有の社会事情もあるだろう。欧州委員会のアンケートに基づく資料によれば、イタリアでは家族や友人との交流は「毎日」という答えが他の国よりも多く、「毎週」も合わせると6割を超える。欧州全体として、挨拶で人との握手、抱擁などが当たり前になっているため、日本などと比べて感染しやすいと考えられる。

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