新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に収束のメドが立たない中、国際金融市場の波乱が続いている。
3月9日の東京市場では、円が対ドルで一時、2016年11月以来の101円台に突入した。前週までは、ドル106円~108円で推移していただけに、一気に円高が進んだ格好だ。日経平均株価は前日比1050円安の1万9698円と今年最大の下げ幅で、1年2カ月ぶりに2万円の大台を割り込んだ。
この流れを受けた形でアメリカ市場はさらに荒れた。ニューヨーク株式市場のダウ平均株価は、取引が始まると一時2000ドル超も下落。S&P500種株価指数が急落したことで取引を一時停止するサーキットブレーカーが発動された。
為替市場では、新型コロナウイルスに対する不安が高まる中、2月半ばには一時1ドル112円台をつけるなど円安が進行し、「リスクオフの円高は終わったのでは」との見方すら出ていた。
背景にはアメリカ経済の底堅い動きがあったが、ヨーロッパやアメリカ国内でも感染拡大が深刻化するにつれ、企業のセンチメントが急速に悪化するなどアメリカ経済への先行き不安が台頭。最高値圏にあったアメリカの株価が急落する一方、安全資産であるアメリカ国債に投資資金が集まり、長期金利が急低下した(債券の価格は上昇)。
FRBの緊急利下げでも不安拭えず
3月3日にアメリカの連邦準備制度理事会(FRB)が臨時会合(定例会合は3月17日、18日)を開いて0.5%の緊急利下げを断行するが、「金融緩和では感染拡大は止められない」として市場の不安は払拭されず、アメリカの株式市場は低迷を続けた。
市場はすでに、FRBが4月にかけてさらに追加で0.75%分の利下げを行うことすら織り込んでいる。そして、10年物のアメリカ国債の利回り低下は一段と進んで一時0.5%をも割り込んだ。
2020年の初めの段階で10年物のアメリカ国債の利回りは2%弱だっただけに、マーケットの状況は急激に変化している。日本やドイツなどと同様、長期金利のマイナスに突入することさえも意識される水準だ。
アメリカの景気見通しが悪化し、金利が大幅に低下することで日本とアメリカの金利差が縮小する中、「リスクオフ(リスク回避)」の円高が急激に進行している。それが為替相場の現状だ。
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