今回のバブルはもう1回膨らむかもしれない 今は「買い」か「売り」のどちらを選択すべきか

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「ひと回り前の子年に流行っていたCDOが、12年後に皆が忘れた頃にCLOという形で舞い戻ってきて、それが続々と破綻するとしたら、まさしくリーマンショック以来ということになりますね」。

現実化するとしても数カ月先かも知れないが、こうした状況が起きたときには、アメリカの社債市場が崩壊して、その副産物であるアメリカ株の株高も大幅修正されて、国自体がアメリカの子会社のような日本の株価も大幅に連れ安することが避けられまい(その時は、もちろん世界の株式は「買い!」の場面となる)。

バブルの粘り腰はいかに?

さて、新型コロナウイルス(による経済減速)に、バブル(崩壊の可能性)に、原油安(による金融不安)、と悪材料が並ぶと、普通の人なら、「株式は売るしかない!」という気分になるかも知れないのだが、筆者はそれがいいと思っていない。

新型コロナウイルスの問題が今後どのような推移になるかは分からないが、それ以外の要素を考えると、今秋に大統領選挙を控えるアメリカのトランプ政権には複数の手段がある。

短期的な効果をタイミングよく得るためには、何れもアメリカ内の新型コロナウイルス問題が一段落することが必要条件となるが、(1)FRB(米連邦準備制度理事会)による利下げ、(2)減税、(3)対中国貿易制限の緩和、といった手段は何れも株価に対してプラスに大きく効く要因だ。再選のことだけを考える大統領には、それなりに持ち弾がある。

NY市場の株価暴落といえば、今も突出した1位の下落率を誇る1987年のブラックマンデー(前取引日比−22.6%)の後に起きたことは、世界の景気後退を避けるために、日本で金融緩和と財政支出を伴った内需拡大政策が採られて、比較的短期間で株価は回復した。だが、その後に日本の資産(主に株式と土地。ゴルフ場の会員権なども)のバブル拡大であった。

大幅な急落と急騰とが交錯するここしばらくの内外の株価の感触は、どうもブラックマンデーの当時に似ている。1980年代後半の日本がそうだったように、「アメリカの資本市場がバブル的である」とするなら、このバブルはもっと粘ってもおかしくないのではないか。

もっとも、今回政策的に無理をしてでも頑張る「機関車」の役割は、日本ではなくてアメリカだ。日本の政策には、余力と柔軟性が乏しい。「消費税の期限付き停止」が分かりやすくて公平で消費の喚起に有効であり、かつ規模の上でもいいと思うが、実際に出てくるのは、「ケチ臭くて、複雑な、キャッシュレス決済のポイント還元拡大の逐次投入」くらいではなかろうか(この予想は「外れ」を強く期待する)。率直に言って、しばらくはアメリカ頼みだろう。

数カ月単位くらいの話で、長期的に資産形成をしている一般投資家は気にしなくていい。だが、新型コロナ問題が落ち着いて、「少し厄介な新型インフルエンザくらいだな」と理解されるようになった時に、アメリカの資本市場は再びバブル形成の軌道に入り直している可能性が捨てきれない。

予想に責任など持つ気はないが、筆者個人は、少なくとも今は持っているインデックスファンドを売りたいとは思わない。数カ月単位で今「売る」か「買う」かどちらかを選べと言われたら、断然「買い」を選ぶ。

付け加えると、株式投資が仮に「長期なら絶対損をしない」と皆が信じるようになったら、株式投資に対する高いリターンは存在しなくなってしまうのが金融理論の理屈だ。

株式は、心配しながら持ち続けて、眺め続けるべきものなのだ(本編はここで終了です。次ページは競馬好きの筆者が週末のレースを予想するコーナーです。あらかじめご了承下さい)。

次ページここからは競馬コーナー。中京競馬場の「金鯱賞」の勝ち馬は?
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