ブラックマンデー型の大暴落の可能性がある 「Xデー」が来たら、その後はどうなるのか?
新型コロナウイルスに関連して、前回の記事「『新型コロナ』」は『バブル大崩壊』」の『序曲』なのか」で、ジョンズ・ホプキンス大学エリック・トナー博士のシミュレーションを紹介してから約1カ月が経過した。
拡大のスピードはほぼ記事の予想通りだが、今のところ全体の致死率はそこまでは行っていない。同記事で紹介した、アメリカのウイルス学者の権威であるスティーブン・ハットフィル教授によれば、ウイルスは発生地から移動すると毒性が変化することがあり、アメリカで発生したスペイン風邪は、移動した欧州で致死率が上がった。だが中国発のウイルスは、過去は移動すると致死率が下がるケースが多いという。
ならば今回もそのケースであることを願いたいが、冒頭のシミュレーションの6500万人の死者予想は、経済を含めた2次災害への警告である。現状、アメリカですら、処方箋なしで売られる簡単な薬の約80%を、中国からの輸入に頼っているとされる。ここから先、もし病院が新型コロナ患者で埋め尽くされ、他の医療に支障が出るような事態になれば、新型コロナの致死率に関係なく、2次災害は深刻になるだろう。
各国の緊急時の優先順位づけが問われる
ではここから先は何を優先させるか、各国の思惑が分かれてくることが予想される。日本には何とか東京五輪を開催してほしいが、アメリカではドナルド・トランプ大統領は、このピンチをチャンスに変えるべく、自分を、第2次世界大戦時に国民を鼓舞しながらドイツのアドルフ・ヒトラーに立ち向かった英国のウインストン・チャーチルに見立てた「チャーチリアン戦略」を始めた。
いずれにしても、平和が前提になっている国家は、医療の概念を超え、人が死にかかった場合と、国家が死にかかる場合、民主主義のシステムの中で、何をどう優先させるかの「異次元のトリアージ(緊急時の優先順位づけ)」も問われるだろう。
個人的には、どこかの段階で、一定の流行とそれに伴うさまざまな不利益を受け入れ、経済活動を平常に戻す政治判断があることを予想する。皮肉にも、今それを強引にやろうしているのが、非民主国家で、新型コロナの発信源の中国だ。中国の経済活動は空気の汚れで判断できるが、衛星写真で、大気汚染復活が確認された中国株を早速ウォール街が格上げしたことは、一つの考え方としては正しいのかもしれない(モルガン・スタンレーの2月末のレポート)。
そんな中、アメリカでは新型コロナが大きく情勢を変えたものが二つある。
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