ブラックマンデー型の大暴落の可能性がある 「Xデー」が来たら、その後はどうなるのか?

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もちろん、一つは金融市場だ。もう一つは民主党の大統領予備選挙である。ここでは金融市場ではなく、敢えて先にスーパーチューズデー(3月3日)が終わった政治情勢を解説しよう。強引な弾劾裁判が逆にトランプ大統領の支持率を引き上げてしまい、意気消沈気味だった民主党では、新型コロナによる混乱が、11月に神風になるかもしれないという機運が生まれている。結果、本来ならもう少し先まで乱立状態が続いたはずの予備選挙が、ジョー・バイデン候補とバーニー・サンダース候補の2強に集約された。

今の勢いはバイデン氏である。直近キューバへの親近感を攻撃されたサンダース氏は、最重要州の一つのフロリダ州の予備選挙(3月17日)でバイデン氏に大惨敗をするのは決定的だ。よってまず3月10日のミシガン州で圧勝し、なんとか大統領選本選で最重要州になる4月28日のペンシルバ二ア州まで勝負を持ち越せるかが、鍵になっている。

バイデン候補有利に働いた2つの理由

そしてスーパーチューズデーが、ここまでバイデン氏に有利に働いた理由は二つある。一つはスーパーチューズデーが、民主党以外の人も参加できるオープンプライマリーの州の予備選だったことだ。

バイデン氏の中道路線を評価するバージニアではそれが最も顕著だったが、テキサス州やマサチューセッツ州でも、これまで共和党候補を支持してきたが、やはりトランプ大統領は嫌いだという「ネバートランプ」の残党勢力が、「ネバーサンダース」として、わざわざ民主党の予備選に来てバイデン氏に投票したことが確認されている。一方、サンダースを支持する若者は、事前のサンダース氏の有利な雰囲気に油断したのか、予備選の投票にはさほど行かなかった、とされる。

こうなると、サンダース氏はミシガン州でサンダース支持の中心にいる映画監督のマイケル・ムーア氏などに期待するしかないが、バイデン氏躍進のもう一つの要因は、バラク・オバマ前大統領の存在である。今の民主党でオバマ氏のレガシー(政治的遺産)に逆らえる人はいない。

オバマ氏本人はまだ明確な支持表明をしていないが、サウスカロライナ州の予備選を前に風前の灯火だったバイデン氏が、オバマ政権の副大統領だった威光に頼ったことは間違いない。その前後で、オバマ元大統領の側近で黒人女性のスーザン・ライス前国家安全保障担当補佐官はバイデン氏支持を表明。続いて同州の黒人有力議員のジェームズ・クライバーン下院議員もバイデン氏支持を表明。結果、サウスカロライナ州は予想以上のバイデン氏の圧勝に終わった。

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