ジム・ロジャーズ「金はこれから更に上昇する」 「新型コロナショック」は「序章」に過ぎない?
ファイナンシャル・プランナーの花輪陽子です。先日、シンガポール在住「世界3大投資家」のジム・ロジャーズ氏に再びインタビューをしました。日本のメディアでは連日連夜、新型コロナウイルスの情報がかけめぐっていますが、日本政府の対策に不満を漏らす声もかなり聞こえてきます。ロジャーズ氏は「こういう時こそ、金価格は上がる」と言います。
金価格は「政府への不信感が高まる時」に上がる
「どんな時」なのでしょうか。「政府に対して、人々が不信感を抱く時に金価格は上がる」とロジャーズ氏は断言します。
ご自身も日本の大手貴金属製造販売会社が大好きで、東京の都心に行くと買い物に行くようです。取材時にはお気に入りのゴールドとシルバーのカップを見せてくれました。シルバーの食器は代々引き継がせることができるので、気に入っているようです。
「日本では、金のアクセサリーなどが高値で売れるので小遣い稼ぎに売ろうとする主婦も少なくない」と伝えたところ、「一般の人が売ろうとしている時に(逆に)金を買いたいね」と言っていました。「金価格はまだ上昇する」と読んでいるようです。
日本政府が新型コロナウイルスへの水際対策に事実上失敗しましたが、すでに2月17日には日本の2019年10-12月期のGDP(国内総生産)が前の3カ月と比べて実質マイナス1.6%、年率に換算してマイナス6.3%となりました。
これはご存じの通り、新型肺炎のショックが本格化する前の数字です。「ジム・ロジャーズ『消費増税はクレイジーだ』」でも書きましたが、やはり消費税増税は経済に大きなダメージを与えたことがわかります。シンガポールは新型コロナウイルスで2020年の経済成長率予測をマイナス0.5~1.5%へ下方修正しています。
韓国、イタリアなどでも新型コロナウイルスの感染者が急増、さらにはブラジルなどでも感染者が見つかりました。世界情勢が不透明になるなかで、金価格は上昇基調を維持しています。現在、金1グラム当たりの小売価格は6400円前後で販売されていますが、これは1980年1月に付けた過去最高値に次ぐ水準です。
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