ブラックマンデー型の大暴落の可能性がある

「Xデー」が来たら、その後はどうなるのか?

ここを起点に「オバマの再来」を掲げたピート・ブティジェッジ候補は予備選を撤退。またテキサスではまだ影響力を持つベト・オルーク前下院議員もバイデン氏の応援に駆け付けた。

だが、バイデン氏本人は別人に生まれ変わったわけではない。また、これから共和党上院が始めるとされる息子のハンター・バイデン氏のウクライナ疑惑の証人喚問で、どんな悪材料が飛び出すかわからない。何より、人口動態や人種構造で、20年後のアメリカを映すとされたネバタ州で圧勝したのはサンダース氏である。個人的には、この2人に代表される民主党の若いエリートは、党本部のバイデン氏がトランプ氏に勝つかもしれないという思惑を信じたというより、次のキングメーカーのオバマ氏へ忖度を選んだと考えている。

実は「非民主的」な民主党、「新しい仕組み」生み出す共和党

しかし「未来の民主党のコア支持層」になるべき若者を見捨てるリスクは大きい。何よりオバマ氏本人の若い時は、今のバイデン氏より今のサンダース氏に近かった。今のオバマ氏の腹の内は見えないが、もし民主党の候補選びが7月の党大会にずれ込んだ場合、1回目の投票で過半数に達しない場合は党エリートのスーパーデリゲート(特別代議員)が候補者を決めることになっている。

万が一、高齢のバイデン氏やサンダース氏が新型コロナウイルスに侵されるような場合、スーパーデリゲートがトランプ大統領に勝てそうな候補者を予備選に関係なく、白紙の状態から選ぶことになる。その時に声がかかる可能性があるとされるのは、オバマ前大統領夫人のミシェル氏と、いまだにヒラリー・クリントン氏である。

このように、民主党では、選挙人獲得は投票率に比例した一見民主的なシステムだが、最後はエリートが決める体質は非民主的である。一方、共和党は、予備選はほとんどの州が勝者総取りである。スーパーデリゲートの存在も小さい。これは一見乱暴な決め方に思えるが、民主党では自分達は常に正しいと信じるエリートが、新しい時代でも決して自分を損切りしないのに対し、共和党は、時代のニーズに合わせ、トランプ大統領のような、それまでの常識とは違う異質なリーダーを生み出す仕組みを持っている。

大統領選の本選挙がほとんどの州で共和党と同じ勝者総取りなのは、共和制を維持するうえで建国の父が残した知恵だが、今この制度を変えようとして民主党は、トランプ大統領はアメリカの歴史上のイレギュラーな汚点だと考えていて、自分たちの政策が生んだ産物だとは絶対に認めない。それが、サンダース氏のもたらす変化を認めず、旧来型のバイデン氏で一本化を図る理由である。

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