コンビニ、コロナ影響下の「意外なヒット商品」 大手3社とも運営面では大きな影響はない

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ローソンでは、2月24日から3月1日の1週間でトランプやUNO、折り紙、シャボン玉といった玩具の売り上げが前年同週と比べ35%も増えた。こうした玩具は通常、親戚が集まる正月などに売れやすくなる。

今回はコロナウイルスの感染を避けるために外出を控える人が増えているうえに、3月2日から小中高校の休校が始まり子どもが家で過ごす時間が長くなり、玩具を買うファミリー層が増えているようだ。ローソン広報は「家でできることが限られる中で、子どもが飽きないように、親が玩具を買っている」と話す。

酒類や総菜の売り上げが伸びる

セブン-イレブンでは2月24日から3月1日の期間、酒類の売上高が前年比30%増だった。安価で普段から販売量の多いチューハイの売れ行きがいっそう伸びた。同じ週にはポテトサラダや焼き魚など、プライベートブランド「セブンプレミアム」の総菜も前年比30%増となった。セブン広報は「外食を控える人が増えた結果、宅飲み需要が伸びて、酒類やつまみとなる商品が売れているのではないか」と分析する。

小中高の休校が始まった3月2日以降は、新たなカテゴリーの商品が売れ始めている。その前の週までと比べて、スパゲティなど冷凍食品の売り上げがグンと伸びた。「子どもが自分で簡単に用意でき、買い置きもできるので、昼食用として売れているようだ」(セブン広報)。

ファミリーマートでは冷蔵総菜の売り上げが伸びている(撮影:今井康一)

ファミマでも2月24日から3月1日の間、プライベートブランド「お母さん食堂」のハンバーグなど冷蔵総菜の売上高が前年と比べ10%増えている。同期間でカップ麺も前年比10%増加。「外出を控える中で『巣ごもり需要』が生まれ、保存の利く商品が伸びている」(ファミマ広報)。

ただ、これらの意外な売れ筋は「日販に与えるインパクトはそれほど大きくないようだ」(ローソン広報)という。

例えば、ローソンでは2月24日から3月1日の期間で玩具のほかにも、マスクや生理用品、トイレットペーパーといった衛生用品が前年比70%増、洗剤が同30%増となったものの、これらのカテゴリーはいずれも元々の売上高が小さい。ローソンの2019年度第3四半期(3~11月期)において、日用品・本・雑誌などの非食品セグメントが販売に占める割合は9%弱にとどまる。

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