コンビニ、コロナ影響下の「意外なヒット商品」 大手3社とも運営面では大きな影響はない

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コンビニ各社は、店舗運営にも大きな影響が出ていないようだ。非正規雇用の従業員が多いため、「小中高校の子どもを持つ親が働きにくくなるのでは」という見方も周囲にはあった。

コロナショックに直面した企業の最新動向を東洋経済記者がリポート。上の画像をクリックすると特集一覧にジャンプします

しかし、セブンやファミマ、ローソンはいずれも、本部から加盟店に対して、店舗運営に関する特別な対応は行っていない。ローソン広報は「加盟店は個別事情にあわせて、特定の日に時短で営業することも可能だが、実際に時短営業を行っている店舗は現時点ではない」とする。

実はコンビニでパートとして働く主婦には、小学校低学年など小さな子どもを持つ人が少ない。小さな子どもがいる場合、勤務シフトが頻繁に変わるコンビニではなく、勤務時間がある程度決まっている職場に行くケースが多いようだ。都内のあるセブン加盟店オーナーは、「私の店舗や知り合いのオーナーの店舗では、さしあたり(極端なパート不足などの)問題は起きていない」と話す。

本部では時差通勤やテレワークを実施

コンビニの本部では、時差出勤や在宅勤務などの対応を行っている。セブンは2月27日、東京都・四ツ谷にある本社勤務の社員を対象に、時差出勤の仕組みを変更した。以前は出勤時刻が朝8時から朝10時までに限定していたが、新型コロナウイルスの影響を受けて、朝7時から朝11時まで出勤時刻を拡大。これまでは試験的にしか運用していなかった在宅勤務も、2月27日から正式な仕組みとして始動させた。

ファミマでは全本部社員を対象に、2月27日より朝8時から朝10時の出勤を避けることを推奨。朝9時の通常の定時に出勤する社員が半分以下になるよう調整している。今回の新型コロナウイルスの拡大を受けて、テレワークも一部導入した。

ローソンの本部ではリモートワークを実施している(撮影:今井康一)

ローソンでは3月2日より、すべての本部社員がリモートワークを開始している。1カ所のオフィスに人が集中するのを避けるための措置で、持ち回りで出社することで、1日あたりの出社人数を減らしている。並行して、ウェブ会議も実施している。  

中国産食材などの調達についても、年間など長期間の契約を行うことで調達先をすでに確保しており、在庫も一定程度確保しているという。

コンビニ業界は、百貨店のように新型コロナウイルスの拡大によるインバウンド需要激減などの影響を受けることはない。ただ、全国5万店舗超を張り巡らすコンビニ店舗で、新型コロナウイルスに感染する従業員が今後増えても、何ら不思議ではない。動向に注視する必要がある。

遠山 綾乃 東洋経済 記者

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とおやま あやの / Ayano Toyama

東京外国語大学フランス語専攻卒。在学中に仏ボルドー政治学院へ留学。精密機器、電子部品、医療機器、コンビニ、外食業界を経て、ベアリングなど機械業界を担当。趣味はミュージカル観劇。

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