ZOZO、「ゾゾシューズ」の手堅い戦略は吉か凶か 大失敗したゾゾスーツとPBの反省をいかす
これらの失敗の記憶が新しいだけに、似たようなコンセプトであるゾゾマットの展開にも不安が残る。この点について、ゾゾマットの開発を陣頭指揮してきたZOZOの伊藤正裕取締役兼COO(最高執行責任者)は今回の東洋経済の取材に対し、「ゾゾマットは万全な状態に準備してから発送している。数年かけて、『靴はゾゾで買う』という習慣を根付かせていきたい」と強調する。
相性度を算出する仕組みを開発
ゾゾマットは紙製の簡易な仕様だ。ゾゾタウンのスマホアプリを使って、マットに乗せた足を指定された方向から複数回撮影すると、足形を3D化した画像とともに、足の長さや幅、甲の高さなどがミリ単位で表示される。
その採寸データを基に、各商品のサイズ別の「相性度」が提案されるという流れだ。相性度が高いほど、自身の足により適したサイズということになる。実際に、記者がアプリを使用して計測したところ、5分ぐらいで両足の計測が終わり、お薦めのサイズの商品が表示された。
靴の場合、例えば「23センチ」とサイズ表記は同じでも、実物の大きさはメーカーや商品シリーズによって大きく異なる。計測データと各商品のサイズをマッチングさせるため、ZOZOは独自に集めた顧客データから、似たような足の形の人が各商品のどのサイズを過去に買って満足していたかをAIに機械学習させるなどして、相性度を算出する仕組みを開発した。
「靴のサイズとの相性度を示す仕組みの構築に検証を重ねた結果、発送に時間がかかってしまった。(数百万円で販売されている)足用の3Dレーザースキャナーの計測結果と比較して誤差を縮めるなどして、計測の精度確認も徹底した」(伊藤取締役)
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